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何かの音

店を出てもう一度リオの家に行くことにした。 "財布落ちてない?" なんて言うのは恥ずかしいけどしょうがない。 本屋でだいぶゆっくりしたせいかだいぶ辺りは暗くなってきていた。 リオの家に向かいながら、そういえば、この辺に小さな公園あったような……?小さい公園だけれども、すごい大きい山の上にある滑り台があってそれが好きで、俺の家からすこし遠くても時々来ていた。 もう、あの公園無くなってるんだろうな……。 リオの家に向かう途中、ふと脇の道を見ると、公園らしきものがあった。 「あ…!」 ここってあの公園か?たしか端っこに大きな山の滑り台があったはず。 「あれ?」 あることはあった。形も似ている。だけども……こんなに小さかったっけ?違うかな?公園の遊具なんてみんな似たり寄ったりだから。 でも、こんな変わった山みたいな滑り台ってあんまり無いよね……。 もう暗いし、小さい児童公園だったし誰もいなかった。 あんまり遅くなると、リオにも悪いから早く行こう……と思って踵を返して行こうとしたら。 "……!!" 何か音がした。 立ち止まってあたりを見ても誰もいない。それから、続けて、今度ははっきりと "ヤメロ!!!" 誰かの声が聞こえた。それは、どこかで聞いた声だった。ちょっとリオに似ている?まさか、いくら俺がリオの事を考えてるからって……。 公園には人影はない。でも、ここにはちょっとした、隠れる場所があった。最近は物騒だから、そういうのは無くなっているかもしれないけれども、子供の頃は秘密基地みたいで好きだった。 まさか、誰か襲われてる?とか? 巻き込まれたくはないけど、何か気になる。 ぐるっと回りこんでそこへ近づいてみる。 近づくにつれて、争う声のようなものが聞こえてきた。 "イヤだ・・・やめろ!!!!!" その叫び声は・・・・。 .

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