24 / 134
第24話
そろそろ夕方という時間になり俺は帰ることにした。
帰るとき夏から一緒に帰ろうと言われたが断った。夏達には廣瀬さんのことは話してないし廣瀬さんもヤクザの幹部という立場上自分の住所を知られるとあれだろうから最近帰りはいつも1人だ。
ポツっ
俺の頬に何かが落ちた
「ん?水?」
ポツっポツっ………ザー
雨は次第に強くなっていく
「うっわ!まじかよ!?今日雨なんか振るって言ってなかったじゃねえか!」
俺は走ってマンションを目指した。
マンションのエントランスにつく頃には俺はもうずぶ濡れになっていた。
「はっくしゅん…最悪…」
とりあえず急いで部屋に向かう。
ドアを開けるとそこにはいつも廣瀬さんが履いている靴があった。
珍しいな帰ってるのかな?なんて思っているとリビングのドアがあく
「どうした!?ずぶ濡れじゃねえか」
廣瀬さんは慌てて部屋に戻るとタオルを持って来てくれる。
「とりあえず風呂に入れ。今お湯貯めてるところだから。」
「ありがとうございま…ハクシュンッ」
俺が風呂に入り終わってリビングに行くと
「風邪引くぞ」と言って暖かいコーヒーを渡してくれた。
廣瀬さんとふたりソファーに座ってコーヒーを飲む。それだけでなんだか暖かい気持ちになる。頭がぼーっとする。
「おい、大丈夫か?」
廣瀬さんの手が俺の首筋に触れる
「暑いな…」
首元に触れる廣瀬さんの手が冷たくて心地いい。もっと触って欲しくて廣瀬さんの方に体を傾ける。
「ったく…可愛いな…」
廣瀬さんが何かを言ったような気がしたが聞こえない。俺はそのまま意識を失った。
ともだちにシェアしよう!