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第34話

俺がどう答えようか迷っていると廣瀬さんが口を開いた 「今日は親父に会ってきたのか?」 「ん?ええ、そうよ?集金も兼ねてね!!」 「親父は何処が良くてお前なんだ?」 飽きれたような口調でため息混じりに奏を見る廣瀬さんの隣で俺はただ2人の会話を聞いていた。 「ちょっと失礼ね!!てか、話そらすな!」 「あ、あのー、」 俺が話しかけると奏さんはなあに?と首をかしげる。 「奏さんと組長さんってどういう関係?」 俺がそう聞くと奏さんああ!と何かを思い出した様な顔をしてこう答えた。 「付き合ってるよ」 「そうなんですか!?」 驚く俺を奏さんはニヤニヤしながら見てくる。 「ほら、私のことは話したんだから次はあんた達のことー!!」 どうしよう…。そう思って少し廣瀬さんを見上げると廣瀬さんも一瞬こっちを見た。 「付き合ってる。」 ドキッと心臓が一瞬大きく跳ねたのがわかった 「あら、やっぱりー!おめでとう!!」 は、恥ずかしいっすよー… 「あ、ありがとう。」 「ふふ、やっぱり春野くんは可愛いわー!!」 それから色々話して俺達は解散することにした。廣瀬さんは仕事があるから組に戻るらしい。 俺は奏さんが家まで送ってくれるそうだから奏さんの車に乗った。 「あの蒼が恋人を作るなんてねー。驚いたわ」 「え?」 どうして?と思い顔をあげると奏さんは嬉しそうに微笑んで、 「蒼って組の人以外にあまり心を開かないのよ。だから春野くんみたいな人が蒼の恋人になってくれて嬉しいわ!」 その時、なんか無性に廣瀬さんに会いたくなった。

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