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第45話

8時過ぎに家につき玄関からリビングにむかう。 「春野?」 リビングを見回すとソファーのところに春野は座っていた。 「蒼?おかえり〜」 いつもとは違う何処かふにゃっとした笑顔で俺の方に歩いてくる。 「お前、飲んでんのか?」 春野はふふっと笑い俺に抱きついてくる。 なんか、今日はやけに近いな…。 いや、嫌なわけじゃねえけど、どうしたらいいかわかんなくなるな… 「ねえ蒼はさ俺を抱きたいとか思う?」 「え?」 抱きたいと思わない訳ではない。 ただ、男同士だし色々な… 「お前は?抱かれてえと思うか?男同士なんだ、色々大変だぞ?」 「俺は、思うよ…。」 そう答えた春野は酒のせいか少し潤んだ瞳で俺を見上げてくる。 「んな、不安そうな顔するな。俺だってお前を抱きたいと思ってる。ちゃんと準備してからな。」 俺がそう言うと春野は顔を赤らめながら、 「あ、あのね?今日千尋と愁くんとあったの。その時にね、あれ貰って。」 あれ、と言って春野はテーブルの方を指さす。 俺は春野を一旦離しテーブルに手を伸ばしそれを取った。 「俺は蒼がしたくなるまで待ってるつもりだから、それは蒼が持っておいて貰いたくて…」 春野の言うそれとはこのローションのことだろう。

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