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第62話

その後、蒼の車で学校の前まで送ってもらった。 「帰るとき電話しろ。迎えに来る」 車の窓を開けてそう言う蒼に返事をして校舎に歩いていく。 「おい、春。お前大丈夫だったのか?」 教室に入ると夏が俺のとこまで来た。 「まあ、大丈夫!って何で?」 「あ、ちょっと来い」 夏に腕を引かれて空き教室に入る。 「あいつからこの間学校の前に来たヤツらの事聞かれた。お前がそいつらに攫われた事も、あいつ自身の事も。」 「あいつ?」 「廣瀬 蒼。安心しろ!この事は俺しか知らねえよ。俺がお前に1番近いから俺には言っておくんだと。」 本当に良かったのかな? やっぱり俺のせいかな… そんな事を思っていると夏は大きなため息をつきながらデコピンをされた。 「いたっ!」 「変なこと考えてんなら直接聞けばいいんじゃねえの?お前馬鹿なんだからいくら考えても無理だろ。」 「は?うるせえよ!でも、ありがとう。そうする!」

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