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第133話
礼儀正しく頭を下げた男は顔を上げると俺達を和室へ通した。そこはうちの組の幹部室程で綺麗に掃除されていた。
確かここに住んでいたはずの春野の祖父母は数年前に亡くなったはずだ。おそらくさっきの男、真辺がいつもこの家を手入れしているんだろう。
「春野様の荷物をお待ちしました。」
「真辺、ありがとう」
春野の荷物はキャリーバッグ1つだった。
それから暫く春野のアメリカでの事や日本で俺と住んでいた時の事等を話した。殆ど春野が話し俺と真辺相槌を打つ形だ。
「真辺、あそこに行きたいんだけど」
「かしこまりました。お送りしますか?」
「いや、蒼と2人で行くよ」
春野が立ち上がり行こと俺の手を引く。
春野の手を握り返し春野の案内で外に出た。
暫く歩くと車道から道をそれた所で春野が足を止めた。
そこには小さな墓地が広がっていた。
そこの1つの菊池家と書かれた所まで行く。
「ここ俺のじいちゃんとばあちゃんがいるの。家の本当のお墓はもう1つあるんだけど2人がお墓はどうしてもここがいいって言ってここにもお墓を作ったんだ。」
それから俺達は墓の前で手を合わせた。
暫くして俺達はまた来た道を戻った。
「さて、帰ろっか」
それから真鍋に礼を言って、春野のリクエストでそのまま買い物に行く事になった。
「そう言えば佐嶋の皆さんは元気?千尋とは昨日会ったからわかるんだけど」
「ああ、元気だよ」
「よかった!」
俺の運転する隣でまた春野が笑ってる
髪の色は変わったし顔も大人びたのに笑った顔は4年前と全く変わらない。
「今度蒼が仕事行く時ついて行ってもいいかな?」
「ん?何でだ?」
春野が組に来る事は高校時代も何度があった。殆ど若と遊びに来てるんだが。
でも、今来る理由はわからない。
「実はこっちに戻って来る少し前に佐嶋の組長さんから連絡が千尋越しにきこっちに戻ったら1回来いって言われてるんだよね。何でかな?俺なんか怒られることしたかな?」
さっきまで笑っていた顔から急に顔を青くする春野
「それはねえと思うが。わかった」
「ありがとう」
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