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第1話
きもちわるい、
身体が熱い
死ぬかも
犬みたいに
野垂れ死ぬかも
野良犬みたいに
冷たい地面に寝転がるのも飽きた頃だ
ポツポツ、と顔に冷たい水が当たる
そろそろ動かなきゃ、
いや、もう動けねえかも
このまま死ぬんだ
「うわ、なんか落ちてんだけど!死んでる?死んでんの?」
『………』
人が、アンニュイな感じになってんのに
「瞳孔開いてんの?これ?どうなんだ?どうすんの、ここで死んだら迷惑なんだけど、なああ、起きろよ。なあ」
うるさい、
『…る、さい、』
「お、しゃべった。生きてんじゃん」
『…ほっ、とけ』
「ほっとけもなにもこんな所で寝られてたら迷惑なんだけど。何やってんの?」
『からだ、…うごかない、』
「なんで?」
『……』
もう、ほっといて欲しかった
死ぬなら静かに死にたかったのに
そいつはずっと俺の隣でしゃがんでいて
不意におれの腕を掴んだ
『な、なに』
「ここで死なれちゃ迷惑なんだよ。これから審査来るのに。とりあえず避難」
と、おれ事を担いで
階段を上がり始めた変なやつ
『やめ、ろ、』
「うっせえー」
と、俺がぶっ倒れた所の目の前の
建物の中に入って
俺をなんか物置みたいな所に転がす
「とりあえず審査済むまでそこにいて。静かにしてて」
『な、なんで、』
「迷惑なんだよ。あんな所で死なれちゃ。ようやく店オープンできんのに。大人しくしとけよ」
と、部屋の扉を閉めて出ていってしまった
『まっくら、…』
物置の床の地面は外とそんな大きく変わらないくらい硬くて、冷たくて
でも、壁があって、天井もあるから
雨が止んでいた
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