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第2話

「……やべ、忘れてた」 審査が終わって とりあえずオープンできる事が決定して 安心して外に飲みに行って 気持ちよくなってきた時だ 「やっべー」 人を拾ってとりあえず物置部屋に隠して そしてそのまま忘れていた 「やっべえ」 と、急いで事務所に戻る よくわかんないやつ 事務所に置きっぱなしにして 荒らされてたりしたらどーすっかな せっかく審査通ったのに 事務所に着くと 鍵はとりあえずちゃんとかかってる 電気を付けると 俺がでてきた時と変わらない事務所だ とりあえず、荒らされてねえな あいつは、と 物置部屋に向かって扉を開けようとすると がち、とドアのぶが動かなくて そういえば鍵をかけてたのか、と 自分にグッジョブ、と思って鍵を開けた 鍵かけてたなら荒らされる心配とかねえし もうちょっと飲んでくれば良かったな まぁ、もう戻ってきてしまったし とりあえずあいつ解放してもう一度飲みに行くか 「わるいわるい、すっかり忘れてた」 と、ドアを開けると 隅の方で 丸まって座っていたやつが ビクッと肩を揺らした 「真っ暗じゃん。電気わかんなかった?」 と、電気を付けようとした時だ 『つけるな、』 「あ?」 なんだ、と一歩足を踏み入れたときだ ぴちゃ、と足元で濡れた音と むわ、と広がっている覚えのある臭い 「もしかして、」 と、電気を付けると 「あぁあ、」 『見るな、』 水溜まりが地面に広がって 俺が拾ってきた男に続いていた 「なに?もらしたの?」 『おまえが、かぎ、』 と、座っている膝に顔を埋めて言うから 顔が見えなくて どんな顔してんだ、と 泣いてんのかな と、耳をつかんで上をむかせると 目元が赤くて潤んでる けど、泣いてない 『はなせ、』 そして、その潤んだ目で 睨みながら生意気な言葉を俺に投げかけた 「ふぅん、何、その顔」 『はなせ』 と、もう一度同じことを言うから 手を離してやって 立てている膝を足で 無理やり開かせる 「…びしょ濡れじゃん」 『やだ、離せ』 「大人が漏らしてんの初めて見た」 『やだ、もうむり、』 「ぐっしょぐしょ。なに?我慢できなかったの?」 と、しゃがんでそいつに目線を合わせて聞いてみる 『うる、さ、…』 しかし、すぐにそいつの目線は ゆら、と揺れて ゆっくりと閉じられていく 「あれ?しんだ?しんだ?今度こそしんだ?」 と、肩を持って揺らすけど そいつは起きなくて ぐらんぐらん、と揺すられるがまま首を揺らす 「ん?あれ?おまえ熱くね?熱あんの?」 なるほど。 だからあんな所でぶっ倒れてたのか なるほどねー というか、ここ、片付けなきゃダメだよな

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