102 / 180

第102話

シバのサプライズの手作りカレーで 情けないくらい浮かれてしまっていた シバの嬉ション付きのお出迎えも 嬉ションしたシバがかわいくてめちゃくちゃ甘やかしたくなるくらいで全く気にならなかった シバ自身は落ち込んでしまったが 風呂でキレイにし、 カレー食お、とリビングに戻った辺りからようやく機嫌もなおっていた 「シバ、どれくらいくう?」 『おれがよそる』 と、キッチンまで来て 自分で器を用意して 米からよそっていく 『おれやるからお前がすわってて』 「やってくれんの?」 『今日はおれがやんの』 と、張り切ってるから任せ、 食卓につくと はい、と目の前にカレーが出される シバも同じくカレーを持って座ったのを確認し 「いただきます」 と、ちゃんと手を合わせて食う うん、ちゃんとカレーになってる うまい、と一挙一動に じ、とシバの視線を感じ 「シバ、すっげえうまいよ」 と、感想を伝えると シバもカレーを食い始める 『やっぱりお前が作った方がうまい』 「そんな事ねえよ?俺これすっげえ好きだけど」 『ちょっと、にんじんかたいし、なんかにがい、たまねぎ。じゃがいもちょっととけたし』 「初めてつくったろ?」 『うん、』 「俺が初めて作った時より全然うまいし、野菜大きくて俺好きだぞ。これ、ちゃんと辛口だし」 『おまえが、すきなら、いいけど』 と、少し恥ずかしそうに 視線を逸らすのがかわいい かなり大量に作られていたから 2杯くらい食ったけど余ったから 余りは明日カレーうどんにするか、と考え 蓋をして鍋ごと冷蔵庫にしまった 「あー、食いすぎた」 と、ソファで休んでると シバは俺の上に乗ってきて すぐに抱きついてきた 『なぁ、ケーキもある』 「今食いすぎて苦しいから後でにしよ」 と、背中を撫でていると めちゃくちゃ甘えているのがわかる こんな甘えてくるのに 俺のためにカレー作るとかかわいすぎんだろ こんな甘えてて1人で買い物とかできんのかとも思ったけど さっきまできっと1人で頑張っていた反動だろう、と存分に甘やかす事にした 『なぁ、おれ、この後出かける場所とか考えてねえけど』 「俺はここでシバとゆっくりしたいけど」 『なんか、そんなの。おればっかりじゃん』 「なにが?」 『おればっかり、たのしいじゃん、』 「おまえやっぱりちょっと馬鹿だよな?」 『なんだよ、やっぱりって』 「お前より俺の方がこうしてんの、楽しいけど」 と、背中を撫で、キスをすると何故か ぷるぷる震えたシバ やべ、また漏らすか、と思ったが シバは漏らすことなく勢いよく立ち上がり 「…え、なに?」 『誕生日プレゼント!とってくる!』 カレーだけじゃなかったのか、と思いつつ 勢いよく部屋を出ていったシバを見送る しかし間もなくして シャーと、シャワーの流る音 「え?風呂?は?」 なに、廊下で漏らした?と 廊下を覗いても水溜まりは特に無く 訳わかんねえ、とそのままシバのことを待つことにした ◇◆ 『ふは、ぁ』 と、息を吐きながらなにやら 色々袋を持ってきたシバ すげえほかほかしてる 1時間くらい入ってたんじゃねえの? 「なに、めっちゃ風呂長かったけど」 『べつに、』 と、ソファの隣に腰を下ろし 持ってきた紙袋をゴソゴソ漁るシバ いや、まじ意味わかんねえんだけど そして、 『はい』 と、何か細長い箱を渡される 「なに?」 『プレゼント』 「おお、ありがとう。開けていいか?」 『うん』 と、開けると ボールペンで有名な名前入れができるやつだ 「おお、このペンいいよな、知ってる、名前、」 と、名前を確認しようとボールペンを回すと 「んん?」 SHIBA IORI と、俺の名前じゃなくシバの名前が入ってる 「なんでお前の名前なの?」 『その方がお前喜ぶと思って』 「……ばかじゃね、お前」 『んだよ、』 「確かにこっちのが嬉しいし。お前馬鹿だろ」 『なにそれ、褒めてんの?』 「褒めてるけど、」 『おまえのが、ばかじゃん、』 「ありがとな、明日から使う」 『うん』 と、シバからもらったペンを大事にしまう 「………それは?」 『あー、えっと、これは、なんでもない。予備だから』 「なんだよ、予備って」 『ぺん、いらないって言われたらべつのやつあげようとしたけど。いらなくないならいいかなって』 と、紙袋を後ろに隠すシバ いや、隠されたら気になるし 「なぁ、俺欲張りだからそれもちょうだい」 『なんで、』 「シバが俺の為に用意したモンならぜんぶ欲しい」 『いや、……これは、おれが、へんな考えだっただけだから、』 と、更に隠すから 余計気になって 「あ、」 『え?』 と、シバの気が逸れた隙に 唇を奪う 『ちょ、いきな、んんっんむっ』 と、後頭部を抑えて シバが夢中になっている隙に シバが後ろに隠した紙袋に手を延ばす しかし、 『んんっ、!ぁっ、』 シバがそれに気付いて暴れるから 紙袋を倒してしまい バサバサ、と中身がこぼれる 「んん?なんだ、これ、」 『ちょ、!見るなって!騙した』 「騙してねえよ」 と、落ちている物に手を伸ばし広げる 「学ラン?」 そして、もうひとつ 「手錠?」 『あー、もう』 と、シバは両腕で顔を隠す 「なに、」 『おまえ、そういうの、すきだろ…』 と、隠しきれない耳は真っ赤になっていて 見せて、と手のひらをこしょこしょと擽ると きゅ、と指を閉じて シバの赤い顔が見える 「シバ、顔見せて」 『や、』 「なんで、」 『やだ、それはあげないから』 「俺のために用意したんだろ。見せて?ほら、」 と、シバの服を脱がせていく 『んんんん、もう、わかったから、まってて』 と、シバは紙袋を持って 廊下に出ていった そして、 ゴソゴソと音がして 間もなく 『………これで、いいんだろ、』 と、学ランを身にまとったシバが姿を現した 「シバ、おいで、すっげえかわいい」 と、シバの身体を抱きしめ そのまま寝室に連れていくことにした

ともだちにシェアしよう!