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第101話

『ぜったい終わったらすぐかえってこいよー』 「わかってるって、行ってくる」 と、玄関の所まで送って 送り出そうとして 1度腕を掴んで止める 「なに、」 『えっと、』 ぎゅっと、首に抱き着く 「え、な、なに?」 『誕生日、おめでとう』 と、仕事に行く前に1番に言えた 会社行ったらきっと他の人に言われるだろうから 1番最初に言えてとりあえず満足 と、離れようとすると すぐにぎゅっと背中に腕が回ってきて 掴まれた 『な、なに』 「なんか、すっげえ嬉しいんだけど」 『ばっ、か、おおげさかよ、』 なんか、すっげえはずかしいんだけど 「行ってくるな」 と、ぽんぽん、と背中を軽く叩かれ 離されてしまった んんん、さびしい、 早くかえってこいー、 『行ってらっしゃい』 と、手を振って ドアが完全に閉まってエレベーターの音が聞こえるまで その場で座って見送った よし、おれもやる事がある まずは買い物行ってケーキ、と 早速出かける準備を始めた 今日はカレーを作ってみようと思っていた あいつみたいに高級フレンチとか 行った方がいいかもと思ったけど 高級フレンチとかあいつとしか行ったこと無いから店もよく知らないし 予約とかの仕方もよくわからない なにより、 いつも会社とかで外ばっかり行ってるから たまには家でゆっくりした方がいい気がしていたから ほとんど1人で行ったことないスーパーに行き 材料をカゴに入れる この前炊き込みご飯作った時に気付いたけど 肉は切るのが難しいから 切れてるやつにした 人参とかも切れてるやつあったら良かったんだけどな、ともはや手料理と言えない事も考えながらどうにか材料も揃えて 失敗した時用にレトルト食品も購入したし、 あと集めている卵型のチョコのお菓子も買って ケーキを買いに向かった この前のケーキやさん 予約とかしてないけど 誕生日ケーキは買えるだろうか ケーキ屋さんの近くの駐車場に駐車をし 時間的にまだオープンしたばっかりのケーキ屋さんに入る 「いらっしゃいませー」 と、小さい店内は自分しかいなくて 少し気まずい ショーケースに並べてあるケーキをみて 小さい3角のやつか 丸いケーキか見比べる やっぱり丸いケーキかな 誕生日だし、 プレートあるやつがいいし、と プレート付きと書いてある チョコのケーキを指さす 『これ、』 「オペラのホールですね。サイズはどうしますか?」 『サイズ?』 「何号にされます?」 『…、2人で食べるんですけど、どれくらいですか?』 「そしたら5号がいいですね、一応こちらのショートケーキは4号からご用意あるんですが、オペラだと1番小さいサイズが5号になります」 『そしたら、こっち、5号で』 「かしこまりました、こちらの5号で御用させていただきます」 『…えっと、、誕生日の、プレート?付けたいんですけど、』 「かしこまりました、お名前はどうされますか?」 と、言われて少し迷う え、名前? おれ、あいつの名前とか呼んだことねえし 『……飼い主で、』 「……かいぬ、?飼い主?様?でよろしいですか……?」 『………はい、』 と、言った後にめちゃくちゃ恥ずかしかったことに気付く こんなん言ったらおれ飼われてるってばれちゃうじゃん、 「かしこまりました、ロウソクはどうされますか?」 『……えっと、いります、』 「かしこまりました」 と、名前の事は深く聞かれず お会計を済ませ ケーキを箱詰めしてくれるのを待つ 「あの、違かったら申し訳ないんですが、以前も誕生日の時にお越しになりました?前回はお兄さんの、」 『あ、はい。その時プレート、付けてくれて、』 「やっぱりそうですよね!また来ていただきありがとうございます」 『いえ、おいしかったので、』 と、よく覚えてんだな、と思いつつ ケーキを受け取って 再び車に乗って自宅に急いだ 自宅に付き ケーキを冷蔵庫にいれて さて、問題はここからだ おれがカレーを作れるのだろうか とりあえず得意なご飯は炊き始めて 炊き込みご飯にすれば良かったかなとも思ったけど 他におかずとか作れないから カレーにした あいつと一緒に何度か作ったし、 お肉は問題ないから とりあえず野菜、と野菜を洗って ちょっと怖いけど 皮剥くやつで人参、じゃがいもの皮を剥く なんか皮残ってる気がするけど これ以上は手が怖かったから諦めて 『たまねぎってどこまで剥けばいいんだよ、』 と、たまねぎは結構小さくなったけど あいつがやったみたいに切ろうとして ちょっとガタガタになったけど 初めてにしては上出来、と、自分に言い聞かせ どうにか作業を進めていく なんか、間に合わなそ もう時間は12時過ぎていて あとちょっとであいつが帰ってきてしまいそうだった でももう皮は剥けてるから切って入れるだけ、と とりあえず人参とじゃがいもも小さく切れなかったから大きめに切る 『炒めるんだっけ、』 と、いつもたまねぎから炒めてたな、と 鍋に油をいれてたまねぎを入れると 水がぱちぱちっと跳ね 少し腕を火傷した 『いってえし…』 そういえば、じゃがいも、 なんか水につけてた、と じゃがいもに水を付けるとその間に なんかたまねぎちょっと黒くなったけど カレー入れたらだいたい黒くなるから大丈夫だろう、と諦め人参を入れる 今度は水が跳ねないように ちょっとずつ入れた 『よし、』 あ、肉 と、冷蔵庫を開け肉をそのまま入れる 入れる順番って合ってんのかな、よくわかんねえけど もう入れたからしょうがない、と 箸で混ぜると なんか更にたまねぎが黒くなった気がした あとは水入れて、と 箱に書いてある量の水を入れて ぐつぐつと煮込む 『じゃがいも入れてねえじゃん』 と、しばらくしてから気付いて 後からじゃがいももいれた おれよくがんばったじゃん これカレーっぽい と、ひとまず安心する カレーのルーっていついれればいいんだろ、 と、箱の裏を見ると 具材が柔らかくなったらと書いてあったから でもそんなの分かんなかったから 10分くらい煮た後にカレーのルーをいれた あいつが辛口好きそうだったから今回もちゃんと辛口だ、 『カレーっぽい』 と、ルーを入れて溶かすと ますますカレーっぽくなって とりあえず満足して、火を消した その時だ 「ただいまー」 『帰ってきた』 と、急いで玄関まで向かう 『帰ってきた』 「帰ってきたけど…ってなんかカレーみたいな匂いするけど」 『つくった』 「お前が!?」 『え、うん』 「できたの?」 『いちおう、』 「すっげえじゃん!おいで、」 と、靴を脱ぐとすぐに腕を広げたから その腕に飛びこむとぎゅっと強く抱きしめられる 『お、おおげさ、だし…まだ、味見もしてねえからうまいかもわかんねえし』 「どうしよ、すっげえ嬉しいんだけど」 『…おおげさ、だって、』 と、口ではそんなことしか言えないけど ぎゅっと抱きしめられたのが嬉しすぎて すんすん、と匂いを嗅いでいると じわり、と下半身が温かくなる感じがする 「……あ、」 『……え?』 「シバ、おしっこ、でちゃってるな」 『あ、』 なんで、と、 自分の濡れた下半身を見て悲しくなった せっかく、ここまでできたのに、 『んんん、』 くやしくて下を向くと ぐしぐしの頭をなでられた 「これ嬉ションか?まぁいいか、一緒に風呂はいろ」 よいしょ、とびしょ濡れのおれを持ち上げて そのままお風呂に向かう 『せっかく、できたのに、』 「シバ、俺、すっげえ嬉しいんだけど」 『……だから、言い過ぎだって、おれ……おもらし、したし』 「そんなのいちいち気にしねえって、一緒にキレイにしよ」 と、さっさと風呂につれていってくれた シャワーで流されると ようやく悲しいのが少しマシになった んんん、 あとちょっとだったのに、

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