38 / 292

8

みんな頷いて 旨いって言ってくれて。 でしょ。と涼は勝ち誇ったように笑みを浮かべると 残りの半分に今度はソースをつけて口に入れる。 うんうん。とまた頷いた。 「あー。成程。ケチャップだと何食っても 全部ケチャップ味になりますもんね。 このソースなら下味の粉チーズがコクになって 逆にソースの酸味が際立つし。 日本人は酸っぱいの好きだから こっちの方が喜びますよ。 このキュウリの微塵切りが効いてるなぁ。 カリフラワーもそうだけど マッシュルームがまた凄いや。 じゅわっと旨味が広がって 美味しいエキス飲んでるみたいっすね。 へぇ~。すげえなこれ。 ただのカリフラワーにマッシュルームが こんなに旨くなるんだなぁ・・。」 パクパクと口にいれ ビールを飲んで また首を傾げる。 「揚げ物にビールって絶対だと思うんだけど これはビールじゃないかなぁ。 何かおススメってあります?」 おススメ・・。 実はその頃 酒の勉強も怠り始めてて レパートリーも少ししかなかった。 「あ・・脂っこいんで・・ スッキリするなら うーん・・あ。テキーラトニックはどうですか? ライムを効かせたやつなんですけど。」 必死に少ない頭の引き出しを開け そう提案すると ぱあ。と表情が明るくなる。 「ライム。絶対合いますね。それだ。それ下さい。」 涼は嬉しそうにそう言ってくれた。 「叶さん。詳しいですけど これって何料理なんすか?」 岸さんにそう聞かれ 涼は首を傾げる。 「知らない。多分外国の料理なんじゃねえかな。 でもほら。俺 海外旅行行った事ないから。」

ともだちにシェアしよう!