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慌ててカップに口をつける。
フワッとコーヒーの香りが鼻腔を擽り
気分がすっと軽くなった。
やめやめ。
せっかく新が色々計画してくれたんだし。
つまらない顔をする方がバチあたり。
楽しませてもらおう。
丸二日一緒なんて なかなかないんだから。
そうだ。
うん。
車窓へ目を向けると どんどん緑が深くなる。
車は高速を降り 舗装された山道を登り始めた。
結構行くなぁ。。
温泉とかかなって勝手に想像してたんだけど。
民家はほぼ無くなり 道がどんどん悪くなる。
えー。大丈夫かな。。
心配が表情に出たのか 新はくすっと笑い
「大丈夫。もうすぐ着くよ。ほら。」
前方を指差した。
なんだろ。
入口にザックリとした木の看板。
【くすのきキャンプ場】
・・・。
キャ・・キャンプ?
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