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「涼。午後から仕事でしょ。何か食べれそう?
今 お風呂入れるから 入ってる間に・・。」
「・・ああ。なんか心配されちゃって。
一緒に飲んでた総務の同期が気を回してくれて
上司に休みって言ってくれたみたい。
今日は御用伺いの日だから大丈夫。
さっき全部予定組み直した。」
ああ。そうなんだ。と新はホッとしたように頷いた。
「じゃあ ゆっくりお風呂入って休もうか。
疲れたでしょ。お腹空いたら何か作るね。」
「うん。。あのさ。新。」
カウンターから出てきた新は ん?と目で問う。
ちゃんと言おう。
いつも汲み取って貰って 甘えてるだけで。
嫌なら嫌。
嬉しいなら嬉しい。
したいならしたいって。。
死にたいくらい恥ずかしいけど・・。
「夜。。デートやり直ししたい。
新と・・イチャイチャしたい・・。」
ボッボッと顔が熱くなる。
でも。
何もしないで 何も言わないで 大事な物失ったら。
そっちの方が もっと嫌だ。
新は驚いたように目を丸くして 珍しく
ちょっと頬を赤らめる。
「もう・・。こんな可愛いの。夜まで
待てるわけないでしょ。」
ヒョイっと俺を抱え上げ 階段を登り始めた。
「いやいや。新さん。。まずは風呂に。
昨日入ってないし 酒臭いから・・。」
「じゃあ。シャワーだけ先にね。お風呂が
溜まるまで 涼を頂きます。」
えー。
「飯食わせてくれるんじゃなかったのかよ。」
照れ隠しにワザと膨れながら そう抗議すると
新は ふふっと含み笑いをして
「涼が一番欲しい物 あげるよ。
もう。いいや。やっぱり全部後回しね。」
結局 風呂場には向かわず そのままベッドに
ドスンと押し倒された。
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