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家族
「お粥?」
森保に怪訝な表情で聞き返され 涼介は
携帯から視線を戻すと はい。と頷いた。
「新・・あ。ルームメイトが熱出して 悪化した
みたいで。俺。料理何にも出来ないんですよ。
お粥ってどうやって作るか教えて貰えますか。」
朝起きた時から調子悪そうだったからな。
いつもなら俺より早く起きて 朝飯の支度して
寝たら目覚まし鳴ってもなかなか起きない俺を
起こしてくれるのに 今朝はベッドの中で
蹲ったまま 辛そうに顔を歪めてて。
「新。どうした? 調子悪い?」
額に手を当てるとかなり熱い気がする。
無理矢理 目を薄く開け ガラガラと掠れた声で
「ご・・めん。ちょっと・・。」
と情けなさそうに眉を下げた。
「水持ってくる。」
ベッドを降り キッチンへ行って冷蔵庫から
ミネラルウォーターを持ってきて
新の背中に腕を入れ 起き上がらせる。
ああ。やっぱちょっと体も熱いな。。
キャップを取り 水を飲ませると
喉がゴクゴク鳴るくらいに一気に飲み干した。
「病院行くか? 連れてってやるから。」
今日は朝からアポがかなり入ってる。
午後はちょっと無理だけど 午前中は三沢に
任せれば・・。
新は無理矢理笑みを作り 小さく被りを振った。
「大丈夫。酷く・なったら自分で行ける。。
涼。今日忙しいっ・・て・言ってたでしょ・。」
喋るのも辛そうだな。
「なんか欲しい物あるか? 薬は?」
普段風邪なんか引いた事が無いから この家の
何処に薬があるかも知らない。
「水だけ・・欲しい。。ごめん・・ありが・と。」
そう言って 辛そうに目を瞑って。
ベッドボードにペットボトルを置き
「なるたけ早めに帰ってくるから。」
そう声をかけると 新は弱々しく頷いて
「いっ・てらっし・ゃい。」とふらふら手を振った。
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