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「卵しか入ってないからな。白粥よりは
味するかと思って。梅干し入れる?」
頷くと 涼は別皿の梅干しを箸で千切り
粥の上に乗せて スプーンで掬うと ふーふーと
息を吹きかけてから あーん。と言って
俺の口元にスプーンを近づけた。
え。
「ん?」
口を開けない俺に どうした?と
目で問いかけてくる。
だって。。
「ちょっと・・恥ずかしい。」
こんなのして貰った事が無い。
涼は へ?と首を傾げた。
「病人に飯食わせるのは あーん。でしょうが。
親とかやってくれただろ?」
親。
・・そんな親だったら良かったのに。
グッと何かが込み上がってくる。
ああ。ダメ。
こんなの。涼の前で。。
涼は暫くじっと俺を眺め うん。と何故か一人頷くと
「はい。あーーん。」
もう一度 スプーンを俺の口元に近づけた。
恐る恐る小さく口を開けると スプーンの粥を
そっと入れてくれる。
柔らかい食感に フワッと出汁の香り。
酸っぱい梅干しがアクセントで
ぼんやりとした口の中がスッキリして・・。
「・・美味しい。」
ポツリと呟くと そっか!と涼は喜んだ。
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