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「そうだけどさ。だったらいつも食ったり飲んだり
してる分もうちょっと金払わせろよ。。」
「貰ってるでしょ。ちゃんとそれで賄ってるよ。」
えー。
涼は唇を尖らせ なかなか納得しない。
さぁ。どうやって丸め込むか。。
「涼が今 同じ事を他の店にしているのは
商品を入れて貰って売り上げになってるからでしょ。
うちは涼の会社の商品 使ってないんだから。
で。これからこの会議はプライベートじゃ
ありません。ちゃんとした経営企画会議。
だから それに対しては対価を払います。って話。」
ね。と顔を覗き込むと 涼はふるふると首を振った。
「うちの会社は副業禁止です。」
いい事思いついたとばかりに ニヤッと笑い
「いーじゃん。もう。今までみたいに
試食してさぁ。プライベートで。」
でーん。とカウンターに突っ伏した。
可愛いけど。
そう言うだろうと思って。
カウンターの上にドンっと大きな缶詰型の
貯金箱を置いた。
へ。と涼は貯金箱へと顔を近づける。
「なんだこれ。。貯金箱?」
「そう。ここに対価を入れます。書いて字の如く
貯金ね。で。この使い道は涼が考えて。
旅行でもいいし 何か欲しい物買ってもいいよ。
勿論 そのまま貯金していってもいい。
これなら副業にはならないし。どう?」
うーん。と困ったように唸り声を上げた。
「新さぁ。。」
「ん?」
ちろっと俺へと探るような視線を向ける。
「俺。仕事辞める気無いよ。今んとこ。」
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