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時間をかけて洗い終わると風呂を出る。
ちょっとこっぱずかしいけど置いてあった
バスローブを着て戻ると 新はソファーに
横たわったまま ぐっすりと眠っていた。
L字型の丁度ベッドみたいになってる部分で
気持ち良さそうに スースー寝息を立てている。
あー。
まあ。そうなりますよね。
改装準備。大変だったみたいだし
俺自身も休みを取る為に この一週間は
殺人的な忙しさで 旅行の準備も全部任せきりで。
夜遅いのに 寝ないで待っててくれて
小腹を満たす為に夜食作ってくれて。
なんでこんなにしてくれるんだろ。
ホント甘えてばっかだよな・・。
キッチンへ行って冷蔵庫から買ってきたビールを
取り出し プルを開け ゴクゴクと飲む。
ああ。旨い。
今日だけでどんだけビール飲んだんだろ。
こっちの飯ってビールに合う物が多いんだよな。
あんまり強くないけど 移動時間があったからか
全然酔っぱらわない。
休み。最高。
ね。
ビールを飲みながら 寝入っている新に近づく。
ふかふかの絨毯にぺたんと座り新の顔を覗き込んだ。
寝顔可愛い。
相変わらずカッコいいですけど 寝顔は少し
幼く見える。
最近は甘えてくれるようにもなったしな。
何もしてやれない分少しは精神的に
支えてやれてるといいんだけど・・。
前髪がハラッと目にかかり そっと指先で
掻き上げてやると 新はゆっくりと目を開け
ぽわんと笑みを浮かべた。
「涼・・。いい匂い。」
「ああ。風呂入ったからな。すげえぞ
ここの風呂。デッカイジャグジーで夜景も見えて。」
そう言うと コクンと新は頷く。
大きな手を俺の後頭部に回してグイッと引き寄せた。
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