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顔が近づき 新はチュッと軽くキスをする。 あれ。 ちょっと拍子抜け。。 後頭部の手を離して 俺を持ち上げ 横たわる 自分の体の上に乗せた。 ちょ・・ちょっと。 重いだろ。いくらなんでも。。 退こうとすると イヤイヤと首を振られる。 「全然重くないよ。大丈夫。」 そう言って太い腕を回し ぎゅっと抱きしめた。 「あったかい。」 ニコニコ笑みを浮かべる様子に 「布団代わりかよ。。」と文句を言うと くすっと笑われる。 「涼が布団だったら ずっとしがみついて 離れないけどね。」 ああ。気持ちいい。。と目を瞑った。 よっぽど疲れたのかな。 いつもならガツガツ来るのに。。 腹一杯だと性欲無くなるしなぁ。 とはいえ しっかり準備した身としては 少々物足りない。 どうしたんだろ。 甘えてんのかな。 「どうした? 疲れたか?」 新はふるふる首を振る。 うーん。。 とりあえずこの体制は話しにくい。 ずるずると体をずらし ソファーに下半身を降ろすと 新は不服そうに唇を尖らせた。 「なんだよ。今日は随分甘ったれてんな。」 広い胸に頬をつけてそう言うと 「そうかな。。うん。そうかも。」 くしゃくしゃと俺の髪を掻き混ぜる。 「ずっと涼と一緒に居れるっていいなって 思っただけ。旅行も久しぶりでしょ。 休みに仕事手伝ってくれるから 前よりはいいけど それでもやっぱり仕事は仕事だからね。 こうやって朝から晩まで何日も一緒なんて 滅多にないから 嬉しくて。」 そう言って ニコッと笑みを浮かべた。

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