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15.泉里SIDE
………ぅっわ、何だコレ?
沢山イカされて達した後、何故か有り得ない位びしょ濡れになっていたシーツ。
前からではなく、後ろから何か垂れてる気がする。
恐る恐る下半身に目を移すと
「えっ、何で?」
お尻から液体が溢れ、シーツを濡らしていた。
え、俺病気?
一気に血の気が失せ、真っ青になると
「大丈夫だから」
鳳くんは優しく微笑み、その液体の正体を教えてくれた。
流石家族にΩが居る人は違う。
Ωについて全く詳しくない俺にも分かる様に分かりやすく説明された。
Ω男性は直腸の奥に女性でいう子宮みたいなのがあり、其処で妊娠する事が出来る。
なのでαやβと違い、Ω男性の其処は女性器と同様の役割も担っている。
その為受け入れ体制になると自然に濡れるそうだ。
って、自然の流れなのか。
良かった、病気じゃなくて。
でもコレスッゴイ恥ずかしいな。
まるで女の子になったみたいだ。
「少し触るね」
そっと優しくタオルで拭かれるお尻。
溢れ出た液体は脚まで濡らしていた。
「初めてで怖いかもしれないけれど安心して?病気じゃないから」
丁寧に濡れた箇所を全て拭かれ、宥める様に抱き締められた。
「取り敢えず気分転換しよう」
そのまま違うタオルで他の箇所も綺麗に清め、服を着せてくれた鳳くんは俺を抱き上げ部屋を出た。
庭の噴水の前のベンチに鳳くんは腰を下ろすと、そのまま俺を膝の上に乗せた。
後ろから抱き着かれる様な形になり、全身を鳳くんの匂いが満たす。
ドキドキするのに安心する。
髪や頬にキスをされ、満たされる。
「ずっとこうしていたいな」
言われ
「うん。俺もずっと鳳くんと一緒に居たい」
背中を預け見上げると
「ならずっと側に居て?」
唇が重ねられた。
その後は運ばれてきた食事を食べ、ソファーに座り色々な話をした。
幼少期からの腐れ縁だが、ゆっくり話をした事は殆どない。
今迄の時間を取り戻すかの様に、俺達は互いの自己紹介を含め様々な事を話した。
鳳くんは家族を大切にしている。
妹の話の時少しだけ嫉妬してしまった俺は心が狭い。
だけど俺が氷雨の話をした時ムスッとしている鳳くんを見て、なんだ、一緒じゃん。心が温かくなった。
移動する時は抱き上げた状態で、座る時は膝の上。
水分補給は毎回口移し。
食事は食べさせてくれる。
有り得ない位至れり尽くせりで、鳳くんは俺を甘やかしてくれる。
好き、愛してる。沢山言われ、満たされる。
キスもずっと絶え間なくしてくれるし、頭も撫でてくれる。
俺滅茶苦茶幸せ。
こんなに幸せなの初めてだ。
もう俺、鳳くんが居ないと生きていけないかも。
離れたくないし、離して欲しくない。
ずっと側に居たい。
Ωはαと番になる事が出来る。
もし番を結ぶのなら、俺は鳳くんと結びたい。
鳳くんの物になりたい。
キュッ、抱き着くと、次父様に逢った時鳳くんと結婚したいって言ってみよう、そう思った。
夕食後、浴室で綺麗に洗って貰った俺は裸のままベッドに運ばれた。
後ろを中迄丁寧に洗われた為、これから何をするのか先程教えて貰ったから分かる。
其処で鳳くんを受け入れるのだ。
怖いけれど、それ以上に鳳くんとひとつになれる喜びの方が勝っていた。
ローションを用意されたが、付けなくても大丈夫な位其処は期待で濡れていた。
浴室で沢山指やローションで解された為少し柔らかくなっている入口は、鳳くんの指先が当たっただけでヒクヒク動いた。
「力抜いてて?」
そっと宛てがわれた鳳くんの物。
尖端がキスしただけで熱くてドキドキする。
ゆっくり傷付けない様に時間を掛けて侵入してくるソレ。
指とは全く違う質量に痛みを感じるが、それ以上に心が満たされた。
「大丈夫?」
漸く全て納められた時には、互いに汗だくになっていた。
痛いけれど、嬉しい。
素直に気持ちを伝えると
「俺も嬉しい。幸せだ」
蕩けそうな位優しい笑顔で鳳くんは俺を骨抜きにした。
ダメだ、死にそう。
ちょっと前迄は意地悪だったのに今は滅茶苦茶優しい。
以前は見れなかった笑顔に表情に萌え殺される。
格好良くて優しくて全力で愛してくれる鳳くん。
コレ落ちない方がおかしいよ。
マジでヤバい。
俺今スッゴイ鳳くんが好き。
キスされる度好きが溢れておかしくなる。
どんどんどんどん好きになる。
俺が慣れる迄待っていてくれてるのだろう。
優しいな。
抱き締めたまま動かない鳳くんに
「動いて良いよ?」
促すと
「痛かったり苦しくなったり嫌になったら言えよ?」
優しく頬を撫でた鳳くんはゆっくり腰を動かし始めた。
「……ん…」
奥に入ってたのがゆっくり抜かれ、間髪を容れず又押し入れられる。
痛みを与えない様に優しく動かしてくれているお陰か挿入時に比べ、殆ど痛みを感じない。
本当は本能のまま好きに動きたいだろうに、本当に優しいな鳳くんは。
遠慮がちに揺さぶられる身体。
受け入れた箇所から沢山分泌されるΩ特有の体液。
そのお陰で痛みと違和感は消えた。
と同時に訪れたのは甘い感覚。
「っあ」
偶然鳳くんのが中の何かに触れたのか走った甘い感覚。
「ん、此処?」
確かめる様に再び鳳くんが其処を擦ると
「ひゃっ、えっ、何ソコ?」
ビクビク身体が軽く震えた。
「う~ん多分前立腺。男性の性感帯の1つ。其処で感じれる様になったら凄く気持ち良いらしいから、試してみよっか?」
う~ん、よく分かんないけど気持ち良くなれるんなら試してみたい気もする。
コクン、小さく頷いた。
鳳くんのを抜かれ、代わりに入れられたのは指。
先程感じた箇所を撫でたり軽く突かれたりすると、それだけで身体に震えと電流が訪れる。
時間を掛けてゆっくり優しく何度も刺激を与えられながら、深呼吸を繰り返す。
息を詰めずにゆっくり深呼吸をしながら力を抜いた方が身体に負担が掛からないよと言われたからだ。
ある程度刺激を与えた鳳くんは
「力抜いててね?」
指を抜き、再び俺の中に侵入した。
「んっ」
沢山解されたお陰で痛みは感じなかったが、なんとも言えない感覚。
なんだ、コレ?
なんか気持ち良い。
「出来るだけ優しくするけれど、痛かったら言って?」
指で触られた箇所を鳳くんのに撫でられる。
うっわ、何コレ。ヤバイ。
メチャクチャ気持ち良い。
している事は指と同じなのに、指とは全く違う。
有り得ない位コッチの方が感じる。
「ん、気持ち良い?」
聞かれ、コクコク頷く。
今口開いたらヤバイ。
メチャクチャ声出そう。それもスッゴイ甘ったるいヤツ。
聞かれるのが恥ずかしくて口元を手で隠すが
「ふ、ん、ぅぁ、んんんっ」
吐息迄は抑えられない。
「声、我慢しないで。聞かせて?」
って、ちょっ、待って。
口から手を外され慌てて唇を噛むが、そんなんじゃ声漏れちゃう。
案の定
「ひぁっ、ぁ、ぁあっ」
普段出ない様な高くて甘ったるい声が零れた。
あうぅ、メチャクチャ恥ずかしい。
羞恥心で真っ赤になる顔。
「ヤダ、見ないで。恥ずかしい」
慌てて手で顔を隠すが
「見せて?」
一瞬で退かされ赤面した顔を見られてしまった。
余りの羞恥で涙目になる。
こんなん恥ずかしい。
男なのに女みたいな声出すなんて、ドン引きされたよな?
「可愛い」
本当か?俺を励ましたり落ち着かせる為に無理して言ってないよな?
「前にも言ったけれど、泉里の声可愛いよ。声も顔も性格も全部可愛い。だから隠さず見せて?聞かせて?誰にも見せた事ない泉里を全て教えて?」
嘘偽りの無い真剣な顔で言われ、からかわれてない事に安心した俺は
「うん、分かった」
無駄に入れていた力を抜き、微笑んだ。
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