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第1話-4

「白耀さま。私は娘ではありません。お嫁さまは村の娘のなかからお選びになるものです」  桔梗は白耀に向き直り正座すると、可愛らしい勘違いを正した。桔梗は確かに人形のように美しい顔立ちをしているが、まごう事なき男だ。お嫁さまになれるはずもない。 「そんなはずないっ!」  勝気な顔が歪み、銀色の耳が垂れて今にも泣きだしそうになる。白耀は素直な質をしているから、大方森のフクロウにでもからかわれたのだろう。

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