19 / 25

第5話-2

「本当に私でいいのですか?」 「当たり前だ! 我の嫁さまは桔梗しかいないと何度言った」  叱られていつまでも弱気でいることを桔梗は申し訳なく思った。  白耀は八つの頃から変わらず桔梗がいいと言ってくれている。そうして桔梗もまた白耀の傍にずっといられたらいいと思ってきた。  ただのお世話係でも構わなかった。素直で優しい白耀の傍にいられれば…… 「とっておきの着物を用意する。桔梗の美しい髪を飾る飾りも。紅は引かずともいいな。桔梗の唇は南天の実のように赤い」

ともだちにシェアしよう!