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3/12 御堂くんは乗り越えた
(前回のあらすじ:連載スタートしたものを途中で下げるという挫折を味わった)
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「御堂くん! 完走おめでとう!」
昼休みに席に駆け寄ると、御堂くんは眉尻を下げてほんのり笑った。
「ありがとう。君にずいぶんと心配をかけてしまったな」
「ううん、全然。僕は、御堂くんが小説を完成させてホッとしている表情を見るのが好きだから」
「一旦下げた時点では絶望したがな……」
今回御堂くんは、2章までアップしたものを途中で『これはダメだ』といって、一旦全て非公開にしていた。
己のポリシーに反するといってかなり苦悩していたけれど、無事挫折を乗り越えて、最後まで完走できたのだった。
「次の作品はあるの?」
「実は、春から異常に忙しくて、しばらく長編が上げられそうにない。短編集の『都合よくエッチできるやつ詰め合わせ』にちまちま上げられたらと思っている」
「そっか。頑張ってね」
もうすぐクラス替えだ。
また御堂くんと同じクラスになれたらいいな。
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