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1/11 御堂くんは週3更新

 強めの風が吹いて、僕は思わず目を閉じた。  肩を抱かれて引き寄せられると、心拍数が上がる。  一緒に下校。何度もしていることなのに、なんだかやっぱり気恥ずかしい。  そっと目を開ける直前、突然キスされた。 「んっ!? び、びっくりした……」 「急に可愛い顔して目を閉じる君がいけないんだよ」  楽しそうで良かった。  さっきまで、ものすごく落ち込んでいたから。 「御堂くん。僕、考えたんだけどね。新作が毎日更新できないの、別に悪いことじゃないと思う。週3日は定期更新するんでしょ?」 「……ああ。毎週火木土は死守するつもりだ」  御堂くんは、お正月から新作を投稿し始めた。 『デリヘルを頼んだら会社の後輩が来た』という筋書きで、結末は決まっているけど、完結まで書ききれていないらしい。  書きながら連載して間に合うという目算が、塾のテスト勉強が膨大になってしまい、無理になったそうだ。 「いつもよりのんびりペースの更新になるが、必ず完結するので、気長に読んで欲しい」 「うん。火木土だね。楽しみにしてる」  もう一度、強風が吹いて欲しいなんて思ってしまった。  そしたら目をつぶって、またキスを―― 「んんっ!?」 「ふは。君は不意打ちのキスが好きとみた」 「……うん。好き。だから、これからもこんな風にしてくれると、うれしい、です」  御堂くんが、僕の手を取る。  ポケットに入れてくれて、月並みにキュンとした。

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