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第4話
さすがにアルトニーが今現在の自分や、その置かれた状況に不審を抱き始めた時、静かにドアが開いた。
入ってきた姿は、もう二度と顔を合わせたくない人物だった。
「気が付きましたか」
「……ウァラウム!?」
そこには、アルトニーと同じような、だが漆黒のキトンを身に纏ったウァラウムの姿があった。
「ここは私の部屋です。いかがですか? 居心地は」
とっさに半身を起こし、オーラを高めようと身構えた。
だがしかし。
「力が……!?」
オーラが高まらない。
いや、全身からその気配が消えている。
これは一体!?
「おっと、剣呑な魔拳は遠慮願いますよ。まぁ、もはやあなたの身体にオーラは生まれないのですがね」
「どういうことだ」
「死んだのですよ、あなたは。死者にオーラは宿りません」
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