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第24話

「アルトニー。私の、アルトニーッ!」  はッはッ、と、ウァラウムの荒い息が、次第に獣じみてゆく。  腰を掴んだ指の食い込みが、強くなる。  抽挿が、速くなってゆく。 「んあぁ……。あッ、あッ、あぁあ……」  艶のある、甘い響きの声。  うっとりと眼を細め、首を反らし、絹のような髪を散らす。  美しい。  死後もなお、私の心を捕らえて離さない、恐ろしいほど美しい私のアルトニー。  シーツを掴んでいたアルトニーの腕が、おずおずとウァラウムの背にまわされた。  堕ちた。

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