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第30話

 何と。    アルトニー同様、薄れゆく意識の中でウァラウムは笑った。  いや、笑ったと思っただけなのかもしれない。  それほど、身を、心を侵食してゆく脱力感は大きかった。 「くッ、くく。さすが、ファタルの大魔闘士・アルトニー。その、人に操られず我を通す力、己を誇示する力は大したものだ……」  この私が、リクィスの大魔闘士・ウァラウムが倒されたほどなのだ。  そうだ。そうこなくては。  やはり寸断される意識の中、ウァラウムは切れ切れに最後の言葉をアルトニーに伝えた。 「また、逢いましょう、アルトニー。いずれ……、輪廻の果てに……」

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