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第一章・26
「気をつけろ。棘にかすっただけでも死ぬらしいからな」
慌てて手を引っ込める愛の姿に、明は小さく笑った。
「まぁ、今はまだ無毒だから大丈夫だ。魚座の大魔導士が現れないと効力はないそうだ」
愛はそれを聞くと、ずっと心に引っかかっていた言葉を口にした。
「左近充様、本当に私の守護星座は魚座なんでしょうか」
「どうして!?」
「だって、私はちっとも強くありません。今日も負けてしまいましたし」
「それは柊一のせいだ。気にするな」
「え?」
「いや、まあ、とにかくだ。自分は魚座の大魔導士なんだーッ、って考えて魔力を燃やせ」
「その、魔力を燃やす、という事がよく解からないのです。どうすれば燃えるんでしょう」
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