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ハッハッと浅く荒い呼吸を繰り返しながら、ヴィンセントは莉音を見下ろした。
ギラつく青い眼差しに囚われて、莉音の背筋をゾクリとなまめかしい感覚が奔る。莉音の足を大きくひろげさせて抱え上げ、ヴィンセントは力強い律動を開始した。
「あっ、あっ、ひあっ……っん、……あっん……あっ……」
内壁を抉られ、腰をまわされて角度を変えられ、抽挿に強弱をつけられて莉音は喘ぎつづける。カリがひっかかるギリギリまで抜かれたそれを、勢いをつけて奥まで叩きこまれ、その強烈すぎる刺激に切なく啼いた。
いつも莉音を気遣う余裕を見せるヴィンセントが、今夜はただ、情熱の赴くままに欲望を叩きつけ、莉音の躰を貪っている。
深すぎて、強すぎて、激しすぎて、莉音はただ、打ちつけられる腰に揺さぶられながら、これまで味わったことのない歓びと快感に溺れ、よがり泣き、ヴィンセントにしがみついた。
「気持ち、い……。アルフさん……アルフさん……気持ち…いいっ。いっぱい、して……いっぱい……いっぱい……僕、を…アルフさんの、もの、に……っ」
ヴィンセントに抱き竦められた莉音は、そのまま躰の位置を入れ替えられて、逞しいヴィンセントのうえに跨がる恰好にさせられる。息を乱してヴィンセントの胸の上に上体を預けていると、繋がったままの下肢を真下から突き上げられて甘い悲鳴が零れ落ちた。
ヨロヨロと身を起こした莉音の両腕をとらえると、体勢が整うのを待って腰に手を添えられる。うながすように莉音の躰を持ち上げさせて、下から突き上げるタイミングに合わせて腰を落とさせた。
「はぁ……っ、ん……っ!」
莉音の背中が反り返る。
持ち上げられて落とされて。持ち上げられて落とされて。繰り返すうちに莉音の腰は揺らめきだし、みずからも与えられる快楽を貪るように淫らに踊りはじめた。
激しい突き上げに全身が歓喜に打ちふるえ、腿の内側に痙攣が走る。内壁が収縮してヴィンセントの逞しい雄を喰い締め、奥の泣きどころを衝かれるたびに嬌声が迸った。
腹筋を使ってヴィンセントがぐっと起き上がると、中の怒張が角度を変えて莉音はふたたび悲鳴を放つ。反り返った胸をヴィンセントの舌が這い、ツンと尖った肉粒を、舐め上げた直後に音を立てて吸われた。
「やっ、あぁっ、ん……」
さっきから、もうどれだけイッているのかわからない。
胸を吸われたまま逞しい陽根に内部を搔きまわされて、莉音は喉を反らせてヴィンセントの頭を掻き抱いた。
ヴィンセントに抱かれている。愛されている。そのことが嬉しくて莉音は啜り泣く。
「莉音、私の可愛い莉音。愛してる、心から。おまえだけを」
「ぼく、も……。僕もアルフさんが好き。アルフさんだけが好き。大好き。愛してるっ」
溢れる涙を拭われて、熱い掌に頬を包みこまれて口づけられた。
舌を吸われて絡めとられ、唇を軽く食 まれてその刺激で後孔がキュッと締まる。
愛しくて、幸せで、離れていたぶんの淋しさと熱をも取り戻そうとするかのように、いつまでも飽きることなく互いの舌と唇を求め合った。
くちゅくちゅという淫靡な音と、莉音の口から漏れる甘い吐息がベッドルームに小さく響く。
莉音はただ一心にヴィンセントを求め、与えられる口づけに応えていった。
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