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第6話 穏やかな日の事

穏やかで幸せの日々が続いていた。 今日は、営業部で新しいインフラの説明があり、先輩が代表して説明会を取り仕切っていた。 「だから、ここは承認ルートを気を付けるようにな。チームリーダーは契約管理を徹底して……」 スクリーンに映し出した資料をてきぱきと説明していく。 完全無欠のカッコいい先輩。 オレは、そんな先輩を見つめる。 でも、先輩って本当は甘えん坊なんだよな。 それはオレにだけ見せる先輩の裏の顔。 それを思うと、嬉しくてくすぐったくなる。 今朝だってそうだ。 今日は月曜日だから、先輩の家から出勤した。 毎日のように、先輩の知らない面を垣間見るのだが、今朝は久しぶりにパンチの利いたときめきがあった。 早めに起きたオレは、朝食の支度でキッチンに立っていると、こともあろうか、すごい寝癖と半目でふらふら起きてくる先輩と遭遇。 オレと目が合うと、 「ふあーあ。おはよ」 と、小学生のような大あくび。 オレは、ぷっ、っと笑いそうになり、同時に、キュンと胸をときめかせる。 ギャップ萌えどころの騒ぎじゃない。 「せ、先輩。朝ご飯、出来てますよ」 「悪いな。いつも……本当だ、いい匂いがする」 先輩は、くんくんと犬のような仕草。 くはーっ。 やばい、キュン死する。 でもオレは、そんな事はおくびにも出さずに答えた。 「でしょ? 今日は先輩の好きな卵焼きと……えっ、ちょっと先輩。抱きつかないでくださいって」 先輩はいつの間にか、背後からオレに抱き付く。 「いいだろ? 和希。なんかお前可愛くてな」 「まったく先輩は……オレから見ると先輩の方が可愛いっすよ……あひっ」 先輩はオレの耳をハムッと甘噛みする。 「はぁあ、はぁ……ちょっと、先輩! 怒りますよ」 「ははは。ごめん、ごめん。ちょっと、和希を誘惑したくなっちまったから」 「もう! 会社遅れますよ! 早く席についてください」 素直に席について、「いただきます」をする先輩。 おもむろに言った。 「なぁ、和希」 「なんすか?」 「ありがと」 「へっ? ど、どういたしまして」 先輩は、すくっと立ち上がると、真っ正面からオレの事をギュッとハグをした。 親に甘える幼子のように……。 胸がトクンと高鳴る。 オレはそんな先輩の背中に手を回して優しく抱きかかえてあげるのだった。 そんな、甘えん坊の先輩。 まったく持って、可愛くて仕方がない。 クスッ。 オレがぼーっ、とそんな事を考えていると、先輩の怒鳴り声が耳に入った。 「こら、宮川。話を聞いていたか?」 「す、すみません」 「お前、この後、会議室に残れ。いいな?」 「……はい」 「じゃあ、解散だ」 会議室のライトが点灯し、参加者たちはガヤガヤしながら出口に向かう。 オレの数少ない同期が帰り際にオレに耳打ちをした。 「ご愁傷様、宮川。篠原さん、完全復活だよな。こえぇ。しっかり絞られてこい。ははは」 そして、二人っきりになった会議室。 机にうっぷした先輩をオレは後ろから突き上げる。 「はぁ、はぁ。先輩、どうして週末まで待てないんですか? 今朝だって朝方までエッチしたじゃないですか?」 「うっ、うっ。待てるかよ! 俺をこんな体にしたのはお前だろ? 和希。それに、お前だって俺の顔見て前を膨らませていただろ?」 「えっ、そんな……」 迂闊。 最近は先輩の事を思い浮かべただけで、勃起してしまうのだ。 オレは、そんな指摘を受けてきっと顔は真っ赤のはずだが、今はバックから先輩を攻めているので、セーフ。 顔を見られたら、さらにからかわれる所だった。 オレは、先輩の腰を押さえて、腰を振り続ける。 先輩のアナルは、オレ専用のペニス穴。 そんな事を思うといきり立つペニスがもう止まらない。 「はぁ、はぁ、先輩、締め付けヤバいっす」 「ほら、弱音を吐くなよ。うっ、うっ、熱い、熱い、はぁ、はぁ」 オレは、手を回して先輩のペニスを握る。 「先輩、こっちもしごきますよ」 「あっ、お前、やめっ、あはぁん……」 先輩は体を反らせて顎が上がる。 目が潤んで、口が半開き。涎が口から滴り落ちる。 これは最高に感じている時の先輩の姿。 オレは先輩の耳元で囁く。 「先輩のエロ喘ぎ、最高です……」 「あっ、あっ、ヤバい、いく、いくぅ……」 先輩にオレの声は届いているのかどうか……。 既に快楽の階段を昇り詰めようしている。 半目でガクガクと足を震わせた。 オレのペニスも先輩の中で痙攣を始めた。 いきそうだ。 さっき、同期が言ったセリフが脳裏に浮かぶ。 絞られて来いよ、か。 確かに、その通り。しっかり搾られそ、うっ、ダメだ……。 「あーっ!」 先輩とオレは同時に絶頂を迎えた。 そして週末が来る。 待ちに待った金曜の夜。 いつもの様にオレは先輩と肌を合わせる。 本日の流れは、軽い夕食を済ませてソファでくつろぐ二人。 テレビを見ながら冗談を言い合うのだが、何気ないキスを切っ掛けに、一週間溜まりに溜まった性欲が爆発。 ソファで激しいセックスが始まり、果てた後はシャワーでひと休憩。 風呂上りの二人は互いの体を点検するかのように、マッサージをし合う。 で、再びイチャイチャが始まった、という所である。 先輩は、オレのペニスを優しく舐める。 「ちゅっぱ、ちゅっぱ。はぁ、はぁ。和希のペニスは、今日も元気だな。ははは」 「そっ、そんなの当たり前っすよ。先輩に欲情しているんすから」 「和希、お前、俺の事好きか?」 「当然の事聞かないで下さい。先輩の事、愛しています」 「なぁ、和希。妹の墓参りに一緒について行ってくれないか?」 「えっ!」 オレは突然の先輩の申し出に驚いた。 同時に嬉しくて即答した。 「はい! もちろんっす」 オレは、カレンダーを思い浮かべて気が付いた。 そうか、明日はミユさんの命日なのだ。 ミユさんの事を先輩が話すなんて、いつ以来だろう。 最近はすっかりタブーとなっていた。 先輩が話さなければ、オレも話さない。 そんな中での何気ない一言。 もしかして先輩はミユさんを吹っ切れたのだろうか? オレのペニスを美味しそうに咥える先輩。 その表情からは窺い知れない。 オレは、ペニスの先に熱いものが吹き出しそうなのを必死に我慢していた。 もう、ミユさんの事を考える余裕は無い。 「せ、先輩。オレ、もうダメです。先輩、挿れさせて下さい」 「ああ、いいぜ。来いよ」 先輩は、そう言うとお尻を高く上げてアナルを開くように手を添えた。

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