10 / 10

第10話 そして

それから、晴れてオレは先輩の家で同棲することになった。 これで毎日先輩と一緒に居られる。 オレが簡単な荷物を運び込むと、先輩はオレをギュッと抱きしめた。 「すまなかったな、和希。ようやく、お前と一緒に暮らせる」 「……謝らないでください、先輩。オレ、通い婚も結構よかったですよ」 「そっか……そう言ってくれると嬉しいよ」 先輩は、晴れやかな表情を浮かべた。 オレも満足。 だって、先輩のぽっかり空いた穴をやっと塞ぐことができたのだから……。 先輩はミユさんの部屋を指差して、 「和希、ミユの部屋を片づけるから、お前の部屋にしろよ」 と提案した。 オレは、首を横に振る。 「先輩、無理にミユさんの思い出を無くさないでもいいです。きっと天国で見ていると思うので。荷物はそのままで机だけ使わせて下さい」 と、オレが言うと、先輩は、 「そうか? それなら……」 と、うれしそうな顔をした。 オレは、そんな先輩に思いっきり抱きつくと、すぐに先輩の腕を引っ張った。 向かう先は二人の部屋。 愛の巣。 オレは、先輩の服を脱がしにかかる。 「ところで先輩。今夜は、一晩中、先輩を抱きますけどいいですか?」 「ちょ、ちょっと、お前、どうしたいきなり」 いつになく積極的なオレに戸惑う先輩。 ちょっと顔を赤らめる。 同棲生活、初夜なんだ。 こんなのは当然の事。 「それと、いろんな体位で先輩のことをイカせまくります!」 「なっ、お前……恥ずかしいことを……まぁ、俺は嬉しいけど……」 先輩は、耳まで赤くした。 珍しく先輩が照れている。オレはだんだん調子に乗ってくる。 (ミユさん、天国からちゃんと見ていてよ。オレが先輩を愛するところを) ミユさんは手で顔を覆いながら、指の間で覗き見る。 そんな姿を思い浮かべ思わず笑った。 「なんだ、和希。うれしそうだな」 「もちろんっすよ。さぁ、先輩。オレの舐めてください」 オレは裸になりながら、すでにおっきくなったペニスを突きだして言った。  先輩は、オレのペニスを優しく握る。 「じゃあ、俺も念入りにしゃぶってやるからな。和希、気持ちよくなって直ぐに出すなよ」 先輩は、不敵な笑みでそう言うと、舌舐めをした。 先輩のフェラは、先端から裏筋。そしてカリを這って行く。 オレは、威勢の良い事を言ったものの先輩の愛撫に体をビクビクさせた。 オレの気持ちのいいところは、丸裸。 既に、先輩に攻略され尽くされている。 先輩は、ハムっと口に頬張ると、いやらしい音を立てながらしゃぶり始めた。 脚にギュッと力を入れて、今にも爆発しそうな快感に必死に抗おうとする。 でも、それももう限界。 「あっ、先輩……気持ちいいっす。やっぱり、オレ、ヤバいかも」 「ははは。何だ、もう弱音か? そんなんで俺を一晩中抱けるのか?」 「せっ、先輩、お手柔らかにお願いします」 先輩は上目遣いにオレを見上げる。 先輩と目があった。 そして、一斉に吹き出す。 「あははは」 何故か、そこにミユさんの笑い声も混じっている気がした。 ミユさん、よく見ててよ。オレ、絶対に先輩を幸せにするからさ。 オレは、先輩をベッドに押し倒すと先輩の唇に唇を押し付ける。 「先輩、オレが前に言ったこと、覚えていますか?」 「ん?」 「先輩が、オレの嫁になるっていうやつです」 「ああ、あれか。でも、俺は本当にお前に何もしてやれないぞ」 「何を言っているんですか! こんなに俺を幸せにしてくれているじゃないですか! 先輩、大好きです!」 オレはそう言って先輩の体に覆いかぶさった。 そして独占欲丸出しでギュッと抱きしめる。 先輩は、全部オレの物、なのだと……。 *オレと先輩の甘い関係 終わり

ともだちにシェアしよう!