5 / 61
第1話・引っ込み思案なぼくの必需品は携帯望遠鏡。(2)
もちろん、三浦先輩は男の人。
でもね、ぼくだけが恋しているんじゃないよ?
中学校でも、もちろん女子に人気だったけど、ここでは男子にも人気。
みんな三浦先輩に恋してるんだ。
それというのも、ぼくたちが通っている高校は男子校で、世間一般では偏見の目で見られがちな男の子同士の恋愛も、女子がいないここの学校じゃ当たり前。
それに加えて、三浦先輩はとても格好いい。
身長は百八十以上はあるだろう、すらりとした身体に、長い手足。すっと通った鼻筋に、二重の目。均衡の取れた顔立ち。襟足よりもやや長めの髪は地毛だろうか、少し茶色がかっている。
王子様みたいな外見。
運動神経抜群で、性格も明るくて気さくな人だ。
対するぼくは色白で、背が低い。
おまけに引っ込み思案な性格。
だからかな、ぼくが痴漢に遭うのは……。
あ、なんかちょっと落ち込んできた。
そんなぼくの名前は、真壁 翔夢 。
十六歳。
そして色々考えている今は一限目。
ともだちにシェアしよう!