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第1話・引っ込み思案なぼくの必需品は携帯望遠鏡。(2)

 もちろん、三浦先輩は男の人。  でもね、ぼくだけが恋しているんじゃないよ?  中学校でも、もちろん女子に人気だったけど、ここでは男子にも人気。  みんな三浦先輩に恋してるんだ。  それというのも、ぼくたちが通っている高校は男子校で、世間一般では偏見の目で見られがちな男の子同士の恋愛も、女子がいないここの学校じゃ当たり前。  それに加えて、三浦先輩はとても格好いい。  身長は百八十以上はあるだろう、すらりとした身体に、長い手足。すっと通った鼻筋に、二重の目。均衡の取れた顔立ち。襟足よりもやや長めの髪は地毛だろうか、少し茶色がかっている。  王子様みたいな外見。  運動神経抜群で、性格も明るくて気さくな人だ。  対するぼくは色白で、背が低い。  おまけに引っ込み思案な性格。  だからかな、ぼくが痴漢に遭うのは……。  あ、なんかちょっと落ち込んできた。  そんなぼくの名前は、真壁 翔夢(まかべ つばさ)。  十六歳。  そして色々考えている今は一限目。

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