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第4話・追って追われて恋模様。(4)

 先輩の真っ直ぐな視線が、ぼくを射貫く。 「……せんぱ……」  見とれていると、ベッドに押し倒された。 「あ、あの……せんぱいっ!?」  目の前には格好いい先輩がいる。 「翔夢くんが欲しくて我慢ならないんだ」  先輩はぼくを閉じ込めると、耳元で告げた。 「ひゃっ!」  低音が耳孔に直接入ってきて、くすぐったい。  だけどそれだけじゃなくって、みぞおちに力が入る。  先輩に触れてもらえるのかもしれないと期待してしまう。 「初めは電車の中で、本当は翔夢くんに悪戯をするつもりはなかったんだ。だけど、君を見ていると、欲しくてたまらなくなって、気がついたら手が勝手に君を求めていた。ココも、本当は俺が先に触るはずだったのに、横から入ってきた奴に触れられるなんて……」  シャツの裾がめくられ、あらわになる胸。

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