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ペットブーム
いつ、誰が始めたのか分からないが、物好きの金持ちの間でペットを飼うことが流行りだした。
だが、流行りとはそういうものだ。
ある時、1人の男がペットを連れて、いつもの集いに参加してきたことが始まりだった。
『私の周りでペットを飼うのが流行っていてねぇ。皆こぞって自分のペット自慢だ。余りにも羨ましくて、私もつい買ってしまった。
今日、私はこうして皆に自慢したくて連れてきたのだよ。どうだい、なかなかいいもんだろう?』
と男が気持ちよさそうに語った。
その男曰く、自分の好みに合ったペットが手に入るらしい。
それからその集いでは、1人また1人とペットを連れて参加する物が増えて行った。
どうやらそのペットショップは会員の紹介がないと、ペットを売らないらしい。
それはそうだ。
何せ人間がペットなのだから、口外は許されないのだ。
信用のできる者にだけ最高の商品を提供する――
金持ち好みそうな経営方法だ。
そこでペットを買うと言うだけで、ステータスシンボルになるのだから、物好きの金持ちが欲しくないわけがなかった。
かくいう私も、そろそろペットを迎え入れようかと思案している身なのだが…
私の行く集いでは、殆どの参加者がペットを連れてやってくるため、ペット連れの者が集まってペット自慢をするのは恒例になった。
最初はどこが気に入っているかを自慢していたようだが、
最近では、皆の前でペットに奉仕させ、ペットどれほど主人へ上手く奉仕ができているかを見せびらかすのが流行っている。
私のペットはこれができる。
いや、私のペットはこんなに可愛く喘ぐ。
といった風に、閨事を披露しては言い合っている。
皆、他人がどのようにペットを可愛がっているかを知りたいという気持ちもなくはないだろうと思う。
色々な性癖の持主が集まる会と言うだけあって、バリエーション豊かで見ていてとても楽しいショーだ。
「そろそろ君もペット買わないかい?案外悪くないよ」
「ええ、仕事も一段落しましたし、検討していたところですよ」
「おお!それはいい。今度、ペット用品を買いに行こうと思っていたんだ。その時に一緒にどうだい?」
「ええ、是非とも。誰かからの紹介がないと買えませんし、助かりますよ」
「では決まりだな。では、来週の土曜でどうだい」
都合よく話がまとまり、私は次の休みにペットを買いに行けることになった。
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「私」が参加している「集い」というのは、
闇オークションに参加して、名画や骨董品を買ったり、男娼をたくさん呼んで乱交パーティーをしたり、ストリップショーを見てみたりetc…
といやらしい贅沢をする、定期的に金持ちの変態さんの集まる会です。10〜15人前後くらい?かな?
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