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ペットショップⅠ
「いらっしゃいませ」
黒のスーツに身を包んだ男が、胸に手を当てて深々と頭を下げて挨拶をする。
「今日はあの子の玩具を買いに来るついでに、この間言っていた彼を連れてきた。良くしてやってくれないか」
「かしこまりました。では旦那様、あちらの者がお求めの商品の担当者ですので、あちらにお願い致します」
「うむ」
「では、後ほど」
「お待たせ致しました。当店へようこそおいでくださいました。私、オーナーのサカモトと申します。
奥でお話をお伺い致しますので、ご案内致します」
店に入ってすぐに、彼と別れ、スーツの男サカモトの案内で店の奥に進んだ。
店の中は高級美容サロンのようで、怪しい商売をしているとは到底思えない。
店員が皆スーツのため、まるでホテルのラウンジのようだった。
店の奥へ入ると、そこはスイートルームのような内装。
腰掛けたソファも座り心地が良いし、皮も上等のものを使用している。
出されたウェルカムドリンクは程よく冷えており、味も悪くなかった。
「改めまして、この度はご来店、誠にありがとうございます。では早速、当店のシステムをご案内させて頂きます。
当店は、お客様のご希望に100%添うペットショップでございます。顔、身長、体重など仰って頂ければ、お客様のご希望通りの子をご紹介させて頂けます」
「ふむ、それはなかなかいいサービスだ」
「ありがとございます。
肌、髪、目、色の指定まで可能です。それだけではございません。性格、ペニスの長さ、太さ、等々…
使用用途による事前の調教段階までもお選び頂けます。お客様からの調教のリクエストにお答えすることも可能でございます」
「その調教のリスエストとは?」
「はい、当店では、様々な嗜好のお客様がいらっしゃいますから、どの子が飼われて行っても大丈夫なように、躾を行う必要があるのです。
お客様がペットを飼育しやすいように。
また、ペットたちが過ごしやすいように、事前に必要最低限の調教しておくのです。
例えば、簡単なものですと、「首輪を必ずつける」ですとか、「裸で過ごすことに慣れる」などがございます。リクエストというのは、こちらでペット達に躾をする項目以外のもののことです」
「なるほど。調教のリクエストも、説明にあった事前の調教段階、というのも理解ができたよ」
なかなか手厚いサービスを行う。
金持ちがこぞって買うわけだ。
自分の手で躾るもよし、店で十分自分好みにされているのを味わうのもよし、ということのようだ。
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