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第15話

『ひなたぁ、』 「大丈夫か?」 『ありがとう、』 あつい、 ゆっくりと身体を起こして 額を伝う汗を拭いながら 日向の顔を見ると 日向の顔は真っ赤になった 『ちょ、ひなた?』 「お前…そういう顔で見るなよ」 『ひなたこそ、おんなあいてみたいなかおしないで、』 僕は一体どんな顔で日向の事を見ていたのだろうか 日向は僕の事を直視しないように目を逸らしていて 『ひなたぁ…、』 それ、僕のこと、男じゃないと思ってるの? 日向の両頬に手を伸ばし 僕の方を向かせた 僕の体が熱いせいで 日向のほっぺたが冷たく感じて気持ちいい 「ちょ、おまえ」 『…ひなた、』 「なんだよ、」 『僕は、おとこだ』 と、日向の目を見て言った ゆら、と日向の目が揺れたのがわかる きっと日向は僕のこと 男だって分かってるのに 日向の中に朱里くんがまだいるから 僕のこと男だって思いきれないのかな 『ひなたぁ、』 と、日向の首筋を伝って日向の手を取る そして、 ぴと、と その手を自分の中心に持っていく すると、確認するように 無意識か 僕の大事なところで日向の手が少し動く 「たっ……」 『……てるでしょ、あついから、』 日向は はっとしたように手を引いた 「お、まえ、それどうすんだよ」 『………どうするって、言われても…』 でも、あの小嶋くんが言った通り お菓子みたいなものだったのか 僕が落ち着いて来たのか ちょっとずつ 熱い感じがマシになってきた気がする 『えっと、トイレでぬいてくる』 「帰れよ、それはやめた方がいいと思うけど」 『なんで、』 「それこそ、襲われると思うぞ」 『そんな事してるの、おとこじゃん…おそわれないって……』 「男子校だぜ、どっちでもいいやつだって居るんだよ」 『そうなのかな、』 たしかに、ぼくも結構どっちでも抵抗ない方だけど… 女って言われるのはやだけど 『ひなたぁ、どうしよ、』 「そんな事俺に言われても…」 と、言う日向は まだ顔を赤くしていて いい加減イラッとした 『ねえ、いいかげん僕のこと見てよ』 「…お前色気出し過ぎなんだよ!俺まで変な気分になんだろ」 『ぼく相手にむらむらしないでよ、』 「おま、ムラムラとか言うなって…!」 『だってそうじゃん』 「や、やめろ、そういうの」 『ひなたって、どうていなの、』 「ど、ど、ど、どう、どうていとかいうなって!」 『………』 童貞なんだな… ぼくもだけど。 『なんかめっちゃ落ち着いた。萎えた』 「………」 ふぅ、とため息を吐いて 乱れた服をきっちりと直した 「おい、もう平気なのか?」 『うん、日向のおかげで萎えた』 「…貶されてんのか?」 『褒めてんだよ』 「で、どうすんだ?小嶋のこと」 『うーん、なんかされた訳じゃないし…』 「いや、そうか?」 『ちょっと変なお菓子盛られただけかなって…』 「いや、それでも相当だと思うけどよ…」 『まぁ、勉強頑張ってたし……それに僕のこと男だってわかったからもう近寄って来ないでしょ?』 「どーだかな。まぁお前がいいならいいんだけどよ。気を付けろよ」 『うん、平気。もう貰ったものとか食べないようにする。熱くて辛かったし』 「もう、身体は本当に平気なのか?」 『うん、まだちょっと熱いのと…まぁちょっとムラムラ収まり切ってない感じもするけど』 「やっぱりお前帰れよ、今日」 『えええ、テスト前なのに』 「いや、ムラムラしてるクラスメイトいたら他のやつら自習とか集中できねえだろ」 『………』 そう言われたら 帰るしかない 『帰る、』 と、ベッドから降りると まだ脚には力が入らなくて 少しよろけてしまう 『ぅあ、』 「お、おい」 と、その時だ 「大丈夫か!」 と、勢いよくドアが開いて 『……きさき?』 あぁ、完全に忘れていた 「保健医は居なくて、担任を探したんだが俺の担任かお前らの担任か迷ってな、」 と、いうきさきは迷った結果 1人で保健室まで来たようで 『きさき…』 きさきは本当にかわいいなあ。バカで 『もう大丈夫だよ。ありがとう』 「そうなのか?熱中症は?」 「あー、それなんだが一服盛られたみたいなんだよ。熱中症じゃなかったんだ」 「そうだったのか」 と、きさきは額の汗を拭った 『きさき、ありがとう』 と、きさきの首にぎゅう、と抱きついて身体を預けた 「な、なんだ?大丈夫か?」 『うん、大丈夫』 きさきバカだけど僕のために走り回ってくれたんだな ポンポン、ときさきの背中を軽く叩いて きさきを放すと きさきは訳が分からないって顔をしていた まぁ、いいけど なんとなくだし 「ユキ、帰るのか?」 『うん』 「送る」 『平気だよ、』 「いや、送る。きさき、走り回ってもらって悪いが俺らの担任に帰るって伝えといて貰えるか?」 「お前らの担任にだな。わかった」 と、きさきは走っていった 元気な子だなぁ。全く 「脚、力入らないか?」 『んーん、ちょっとだけ。すぐ収まると思う』 と、日向の腕に捕まった 『あ、汗くさい?』 「…いや、」 『大丈夫なら、いいけど』 「これ言われたら嫌だと思うけど、」 『なに、』 「女みたいな匂いする。何つけてんだよ、お前」 『え?なんにもつけてないんだけど…シャンプーとかかな…?』 というか、やっぱり 日向って僕のこと 結構女だと思ってるよね いや、触ったから頭ではわかってるはずなんだけどさ しかも日向にはちょっと体も見せたことあるんだけどなあ 日向には、 目の前で全裸になるしかないのかな? いや、それ痴漢か露出狂か… 『ひなぁ』 「なんだ?」 『朱里くんに今度会いに行こう』 「は、……なんだよ、いきなり」 『そこ、すっきりさせなきゃ行けない気がするんだよねえ』 「…………関係ねえだろ、お前には」 『むむむむ、』 まぁ、そうなんだけどさ なんだこれ、 もやもやすんなあ。もう 日向って 朱里くんと仲良かったって聞いてたけど すきだったのかな? 女の子として

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