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第7話 にゃんタス記念日・7

「あぁっ……あ、炎珠さ、ん……!」 「那由、……」  初めてのセックスって、悲しくないのに涙が止まらなくて、意識しなくても声が出てしまうものなんだろうか。炎珠さんの硬いモノが俺の中を出入りする度に瞳の奥で星が散り、一つになったことへの感動よりも、一人の男に体を支配されていることに対して高揚してしまう。  支配されて嬉しいなんて……俺ってマゾだったのかな。 「わ、……那由太、凄い締め付けてくるね……」  上から降ってくる炎珠さんの汗と吐息。見つめ合うよりもくっついていたくて、俺は両腕を伸ばし彼の体を強く抱きしめた。 「あっ、あ……炎珠さん、……!」 「那由太、愛してるよ。絶対、一生大事にするから……」  腰を打ち付ける速度が徐々に早くなって、同時に俺の声も高くなる。 「那由太、大好き……大好きっ、……あ」  俺の体をきつく抱きしめた炎珠さんが、腰の動きを止めた。熱くて硬いペニスが脈打っているのが分かる──中で射精したのだと気付いた瞬間、炎珠さんに対して妙な愛おしさがこみあげてきた。 「俺も、大好きです……炎珠さん。大事にして欲しい、です……」 「那由太、ぁ……」  至近距離で視線を合わせた俺達は、互いに力無く笑ってから触れるだけのキスをした。 「はあぁ、気持ち良かった……。セックス自体もうずっとしてなかったし……」  ある意味では俺よりもへとへとになっている炎珠さんを見て、刹が「だらしねえな」と笑った。そして── 「にゃん太、まだいけるか」 「いけ、ますけど……」  実を言えば俺は今のセックスで射精していないから、「まだいける」というよりも「もっとしてみたい」気持ちの方が大きいのだけれど。 「頼んだよ刹、那由太のことイかしてあげてね」  眠そうな目でベッドに伏せた炎珠さんが、刹に抱きすくめられた俺の手を握ってふにゃりと笑った。 「那由太の記念日だよ。続きは刹にしてもらって」 「……は、はい」  刹が俺を四つん這いにさせて、後ろからそれを突き立てる。 「顔見てヤりてえけど、多分コッチの方がお前的にラクだと思うわ」 「お、お願いします、……優しくね……」  まだ炎珠の放った精液が俺の中に残っている。それをローション代わりにして、刹が少しずつ俺の中へと挿入していった。内側を擦られる感覚が恥ずかしい。大きさも炎珠のとは違う。 「あ、……ん……」  二度目は思ったよりもスムーズに受け入れることができた。中で刹のそれが炎珠の精液をかき回しているところを想像する余裕もある。 「た、確かに……この方がラクかも、です……」  少しだけ振り返って刹に言うと、俺の尻を支えて緩く腰を動かしていた刹がニヤリと笑った。 「ラクってのは、体勢だけの意味じゃねえぞ。お前をイかせるのにもバックからの方が良いってことだ」 「え、……」  意味が分からず目を瞬かせていると、横に伏せていた炎珠さんが体を起こして俺の正面に回ってきた。 「那由太。お尻突き出したまま俺に抱き付ける?」 「は、い……」  上体を起こし、あぐらをかいた炎珠さんにしがみつく形になる。高低差からいって抱き付くというよりは、炎珠さんの頭を胸に抱きしめる恰好だ。 「これなら刹に突かれながら、那由太も気持ち良くなれるからね」 「あ、う……もしかして……」 「前も後ろも、那由太のこといっぱい気持ち良くしてあげる」

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