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告白まであと少し4

「しゃぶっていい?」  俺は唯人の返事も待たずに、股間に顔を伏せた。 「やめろ、和希。すぐでちまう」 「いいよ。飲みたい」  そう言うと唯人の長大な熱はより一層大きくなって、先端から雫を零した。  到底口の中に全ては収まりきらない大きさのソレの先端に浮かんだ雫を、舌をだして舐めとる。  同時に唯人が俺の濡れた後口を指でなぞると、中指を突き入れた。 「あっ」  唯人は緩んできたそこを三本の指でさらに広げる。 「やっ、そこされたらっ。気持ちよくて、あんっ、舐めらんない。あっ」 「口よりもこっちにだしたい。嫌か?」  唯人がふーっと長い息を吐いた。  目の前の股間の昂ぶりは今にもはちきれそうで、唯人がどれだけ我慢して俺の体をならしているか分かる。  唯人はヒートの時も、俺の体が最優先事項だった。  どんなに興奮していても決して、俺を傷つけるようなことはしない。  俺はそれがじれったくもあった。  俺は唯人の顔をがしっと両手で掴んだ。 「欲しいって言ってんじゃん。くれないのかよ」  唯人は目を見開くと、舌打ちをした。 「どうなっても知らねえぞ」  唯人は俺の腰を強い力で掴み、一気に貫いた。 「ああああっ、あんっ」  唯人が俺の前立腺を狙いながら、腰を激しく動かす。 「唯人。イイ。それイイ。あ……気持ちよくなっちゃ、イッっちゃ、イクイク」  俺が白濁を撒いても、唯人の腰は止まらなかった。 「あっ、イって、イッてるのにぃ。唯人の馬鹿っ」  俺が背中を軽く叩くと、唯人が肉食獣のような瞳で俺を見つめた。  ガブリと俺のうなじに噛みつく。 「あああっ」  俺は出さずにイッた。  中がうねり、締め付けられた唯人が息を詰める。 「つぅ」  奥に熱く濡れた感触が広がった。 「まだ。まだだ」  唯人がまた腰を動かし始める。  俺は唯人の腰に両足を巻き付けた。 「あっ、俺も。俺も、もっと欲しい」  唯人が俺の唇に噛みつく。  対面で向かい合った俺達は熱い息を零しながら、お互いの唾液を啜った。 「あっ、ダメ。俺、力はいんない。唯人、動いて」  唯人が俺の両方の太ももを掴むと、自分の屹立を抜く寸前まで持ち上げた。 「あっ、あっ」  一気に腰を落とされる。 「きゃぅ」  唯人が俺の乳首を引っ張りながら、腰を細かく上下させる。  乳首からのじんじんとした刺激と奥を蹂躙する唯人の熱が堪らなかった。 「舌だして」  言われた通りにすると、唯人が俺の舌に噛みつき、貪った。 「んっ、んん。はっ」  唯人の髪の中に両手を入れ、整えられた髪型をぐちゃぐちゃに乱す。   俺の中の唯人がまた一回り大きくなった。 「愛してる。和希」  唯人が俺と見つめ合いながら告げる。  「俺も」と返す代わりに、唯人にきつく抱きついた。  体内の唯人が弾け、俺は快楽からのけぞった。 「ああっ」  俺の息が落ち着くのを待って、唯人が自身を引き抜く。  俺のヒートもひと段落したらしく、体の熱は先ほどよりだいぶマシになっていた。 「体、大丈夫か?」  俺の額にかかった前髪を唯人が指先で優しくどかしてくれる。 「うん、大丈夫。そんなにやわじゃないって」  唯人がほっとしたように笑い、俺のこめかみにキスを落とした。 「和希。愛してるよ。ずっと」  俺は先ほどと同じように唯人に抱きつくと、逞しい胸板に鼻をこすりつけた。 「和希。体べたついて気持ち悪いだろ?風呂入るか?それとも疲れたのなら眠るか?体は拭いておいてやるから」  俺は首を振った。 「もう少しこのままでいて」  唯人がふっと笑う気配がした。 「いいよ。いくらでも」  唯人が大きな掌でゆっくりと俺の背中を撫でてくれる。  今、この瞬間、「愛している」と口にしてしまおうかと思った。  でもヒートの熱にあてられただけの感情だと唯人に思われたくはなかった。  もうちょっとだけ、待っていて。  必ず伝えるから。  俺は眠りに落ちる前にそう誓った。

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