珀英は体を起こして、大きく深呼吸を繰り返して、とろけた真っ赤な顔の緋音の頬に、触れた。 顔を寄せて口吻けをする。緋音は意識が朦朧（もうろう）としている状態で、珀英の舌を搦めとって、強く吸いながら、首筋に抱きついてきた。 緋音は強い快楽に翻弄（ほんろう）されてなし崩し的に珀英を許している自分に驚く。惚れた相手に甘くなる。 昔からの悪い癖。 珀英は緋音の背中に腕を回して、膝の裏にも腕を回して抱き上げる。 緋音が珀英の舌を解放して、とろんとした肉欲に満ちた顔で珀英を見上げている。 珀英はこの場で今すぐ突っ込みたい衝動を抑えて、お姫様抱っこをして立ち上がった。緋音は珀英に全身預けて、珀英の胸に顔を埋める。 「ばか・・・」 緋音が可愛い声で。 小さく呟いた。 Fin