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第84話 ※
勢いよく唇が当たり、少し痛かった。
凪さんも同じだったのか、眉間に皺を寄せている。
「凪さん、あのね、俺の勘違いかもしれないんだけど……」
「ん、何?」
「……凪さん、嫉妬したの?」
ピタッと動きを止めた彼は、目をぱちぱちさせている。それが可愛くて思わずくすっと笑うと、今度は凪さんからキスをしてきた。
「そうか。嫉妬か。俺は嫉妬したんだ」
「ぁ……っん!」
「真樹とゆっくり過ごすはずの金曜日を他の男に取られて嫉妬した。」
首筋に噛み付かれて痛みと一緒にジワジワ熱が生まれる。
「真樹を迎えに行った時、胸の辺りが凄くムカムカしたんだ。真樹は酔っ払ってるし、橋本君と親しげだったし……」
「っあ、まっ、凪さん……っ」
凪さんの手がお腹を撫でて、乳首を強く抓った。
痛みで腰がビクッと跳ねる。
「俺には未だに時々敬語で、呼び捨てすらしてくれないのに、橋本君の事は苗字だけど呼び捨てにしていたし……」
「あぅぅ……!」
ベッドに倒れ込んだ俺を追いかけるようにして覆い被さった彼からは、折角収めてくれた怒りが滲み出ている気がした。
「真樹」
「は、はっ……ぁ、いた、い……」
「真っ赤になったね」
抓られた乳首は赤くなって、ズキズキしている。
そこに唇が寄せられて、ジュッと強く吸われ、体が震えた。
頭がフワフワしている。気持ちいい。
どうやら軽く達してしまったらしい。
「はぁ……ぁ、凪さん……」
胸から離れた彼は、俺の腰に巻いていたタオルを剥ぎ取った。もう既に小さく反応してるペニスに触れられ、優しく撫でられて声が漏れる。
「凪って呼んで。呼べるだろ」
「う……だってぇ……」
「だって、何?」
「間違えて、凪さんのご両親の前で、呼び捨てにしちゃったら……」
「別にいいから。早く」
ゆるゆる扱かれて気持ちいい。
思考はだんだん溶けていって、彼に頬を撫でられ親指が唇を撫でた。
「な、凪……」
「うん。もっと」
「凪……凪、もっと気持ちいいの、ちょうだい……?」
唇にあった親指をペロッと舐める。
両手とも離れていって、中途半端に熱くなった体に困っていると、バスタオルを取った彼がペニスを口の前に出してきた。
「舐めて」
「ん」
体を起こして胡座をかいた彼のそこに顔を埋める。
チロチロ先端を舐めてから、口を開けてできるだけ奥まで咥えた。
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