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第85話 ※
口の中がいっぱいになる。
内頬を先端がゴリゴリ撫でるのが気持ちいいと感じるようになった。
「ん、んっ、もっと奥までしたい……」
「真樹が苦しくなるよ」
「でも、もっと良くしてあげたいの……」
「それ前も言ってたね。俺は充分気持ちいいけど」
凪さんは優しいから、俺が苦しいことはしなくていいって言う。でも俺がそれを我慢すれば凪さんはもっと気持ちよくなれるわけだし、もっと頑張りたい。
口を大きく開けてゆっくり飲み込んでいく。
吐き出しそうになるのを堪えて喉を開く。
奥に当たって思わず丸まった背中を彼が優しく撫でた。
「真樹、大丈夫、もっと体から抜いて」
「ぅ、ぐぅ……っ」
「苦しくないよ。気持ちいいだけだ」
凪さんの言葉は不思議で、彼が苦しくないといえば感じていた苦しさが軽減された気がする。代わりに気持ちいいと感じるようになってきた。
あともうちょっとで喉の輪っかを先端が通るはず。
フゥ、フゥと鼻から息を吐いて一気に口の中に入れた。
「っは……上手だ」
「っ、……っ!」
大きいから、奥まで全部咥えると息ができない。
勢いよく口から出し、ゲホゲホと咳を繰り返した。
「ありがとう、苦しかったよね。」
「ぅ、も、もういっかい、する……」
「え」
「凪さんの、もっとちゃんと、気持ちよくする……」
「いや、もう充分だよ」
「……気持ちよくなかった……?」
気持ちよくなかったから、もう充分って事?
不安になって顔を上げると、優しく頬を撫でられた。
「気持ちよかった。それに一生懸命で可愛いよ。だから、真樹をもっと虐めたくなってしまうから、自制するために言ってるんだよ。」
「……虐めたくなる?」
「うん」
何それ、可愛い。
可愛いから虐めたくなるなんて、小学生みたいな部分が彼にはあったらしい。
「いいよ」
「……真樹がもっと苦しくなるよ」
「うん、大丈夫。頑張る」
凪さんのをパクッと咥えて、目線を上げ彼を見ると困った表情をしていた。
「知らないよ……」
「ん、はやく」
温かい手が髪に触れる。
優しく撫でられたかと思えば、後頭部をぐっと押さえつけられ、いきなりペニスを奥まで咥える事になって思わず嘔吐 いた。
「ぅ、ぐぉ、ぉ……ぇ……っ」
「ごめん、真樹。ごめん……っ」
「っ、ふ、ぁ……っぐぅ……!」
それでも頑張って喉を開く。ちゃんと彼を受け入れたい。いつの間にか喉奥を出たり入ったりする度に快感が背中に走りビクビクと震える。
これを早く俺の中に挿れてほしい。それで、思いっきり奥を突かれたい。
そう考えていた時、頭から手が離れ、頬を撫でられて顔を上げる。
「出るから離して」
「っん、このまま出して……」
そう言って彼の腰に手を回して股間に顔を埋めた。
キュッと締めると彼が息を詰めて、奥に精液が叩きつけられる。
反動で吐きそうになるのを堪えて、飲み込み漸く口を離した。
「ゲホッ、は、はぁっ、は……っ」
「大丈夫……じゃないよね。ごめん、真樹……」
「ん、気持ちよかったぁ……」
苦しいだけじゃなかった。
新しい気持ちよさを覚えて、興奮する。
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