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第175話

七時前に凪さんが部屋から出てきた。 俺を見て表情を変えないから、きっとフェロモンは治まっているのだと思う。 「帰ろうか」 「うん」 荷物を持って、いつも通りエレベーターに乗り、駐車場まで降りて車に乗る。 「真樹」 「何──んっ……」 シートベルトを締めて、凪さんの方を見るとすぐ、キスをされた。 舌が重なり、クチュクチュと絡め、唾液が送られてくる。 それを飲み込んで、唇が離れると、彼は眉間に皺を寄せていた。 「お互い、薬が切れかけてる。」 「ぁ、ごめんなさい。あの……運転できそう?俺がする?」 「いや、俺がする。もしも途中で発情期になったら危ない。」 「じゃあ……お願いします。」 車を発進させた彼は、いつもより口数が少ない。 ぼんやり外を見ていると、体温がぐぐっと上がった気がした。 「っ、はぁ……」 息を吐くと、背中にゾワゾワと何かが走る感覚がして、咄嗟に背中を丸める。 「もう着くから」 「ん……」 頭がぼんやりする。 いつの間にかマンションについていて、凪さんが俺を車から降ろしてくれた。 ゆっくり歩いて漸く家に着いて靴を脱ぐ。 「真樹」 「ぁ……ん、むぅ……」 壁に押し付けられ、唇を塞がれた。 ジワジワ、熱が上がってきて夢中になって唇を貪っていると、股間が苦しくなってくる。 「はっ、ぁ……凪さ、イっちゃう……」 「いいよ」 「んっぁ、乳首、や……っんぐ、あぁ──ッ!」 服の上から乳首を抓られ、我慢できずに射精した。 腰がカクカクと揺れる。 「ぁ、うぅ……またスーツ汚れちゃう……」 「脱ぐ?」 「脱ぐけど……そのままお風呂、入る……」 凪さんにもたれ掛かりるとそっと抱っこされ、風呂場に運ばれる。 服を脱いで、ドロドロになった下着を洗面台に置いた。後で軽く洗わなきゃ。

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