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第176話 ※

お風呂で汚れを落とし、浴室を出る頃には、発情期が始まった訳では無いのに、もう我慢できなかった。 体を拭いて、凪さんに寝室に連れ込まれ休憩する間もなく唇を塞がれる。 「真樹、ごめん。我慢できない」 「ん、俺も……いっぱいして、いいよ」 唇だけじゃなく、体にもたくさんキスが降ってくる。 首筋にチクッとした痛みを感じ、その度に背中がゾクゾクとして、体が細かく震えた。 後孔が少し濡れている。 下半身を凪に押し付けると、困ったような表情をする彼が、口内に指を入れて濡らした後、後孔に指を挿れて性急に中を解してきた。 「あぁっ、ぁ、だめ、ひっ、ひ、あ……っ!」 内壁を擦られ、指が奥まで入り、そのままピストンされると堪らず背中が反れる。 指先が前立腺を掠めると、勝手に腰が揺れて、もっともっとと強請ってしまうのが恥ずかしい。 「真樹」 「は、はぁ……っ、はや、く……」 暫くして下品な音を立てながら指を抜いた彼は、硬くなったそれを後孔にあてがった。 入口を先端が触れる。これから中に入るよって教えられているみたい。 軽く息むと遂にそれが少し入って、幸福感を感じていると、ドチュンっと奥まで一突きされた。 「────ッッ!」 腰が浮き、パタパタとペニスから溢れた精液がお腹に飛ぶ。 そして一気に体温が上がり、後孔から溢れる愛液の量が夥しい程増えていく。 「あっ、あ、あひ……っぉ、あ……」 「っは、発情期が、きたな」 奥の壁に突き当たったそれ。 覆い被さるように抱きしめられて、また唇を合わせる。 乳首を抓られて、残っていた精液がピュクピュク飛んだ。 「ひぃっ、ぁ、だめ、ぇ……んっ、ぁ、あぁ……っ」 「は、はぁ、真樹、動くね……」 「っん、ぁ、アッ、あ、あ……っ」 緩く律動を始めた彼。そのうち動きが激しくなって俺を追い詰めていく。 「っい、く、いくっ、ぁ、や、いっちゃ……──ン、うぅぅ……っ!」 絶頂して、体を動かすのが怠いのに、凪は休ませてくれない。 乳首を噛まれ、いつもなら痛いはずのそれは発情期のせいで快感しか生まない。 「真樹、真樹……っ」 「あぅ……っん、凪ぃ……」 俺のフェロモンに完全に呑まれているのだと思う。 ペニスが抜けて、四つ這いにさせられる。 ぽっかり空いたそこに凪の視線が向いているのを感じて恥ずかしくなり、後孔に手を伸ばしてそこを隠した。 「真樹、手退けて」 「やっぁ、恥ずかしい……っ」 「退けろ」 命令されると体が勝手に動いた。 手を退けて、シーツを掴む。 「ひ、ぃっ……!」 「ん」 口を開けたそこを、凪が舐めている。 ぴちゃぴちゃ音が聞こえて、遂に顔は真っ赤になっていると思う。 「甘い……オメガの体液は何でこんなに……」 「はぅ、ぁ、凪、もう、やだぁ……」 涙声でそう伝えれば、凪は顔を離し、お尻を撫でた。 そしてまた後孔に宛てがわれるペニス。 今度こそゆっくり……と伝えるより早く、どちゅ、と奥までまた一突きにされて、涙が散った。

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