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第30話
「ごめん・・・泣かすつもりじゃなかったんだ。」
涙を拭うと貴方の腕に抱き寄せられる。
「僕は幸せです。だから・・・不幸だなんて考えないで。」
呟く僕の髪を撫でて貴方が頷く。
例え貴方の瞳に僕が映らなくなっても
貴方の吐息が聞こえる距離に居れるだけで幸せ。
「僕が・・・貴方の目になります。だから側に・・・居させて下さい。」
見上げると満天の星達をバックに貴方の瞳が輝く。
「離せって言われても離さないからな?後悔するなよ。」
「後悔なんかしませんよ。ずっとずっと側に居ます。」
ゆっくり視線を絡めてから瞼を閉じれば塞がれる唇。
僕達はずっと一緒に生きていくことを輝く星達に誓った。
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