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第61話

心地いい倦怠感と優しい温もりに 俺の意志とは関係無く顔が緩む。 今世界で一番俺は幸せだって自惚れてもいいかな? 腕の中にある愛しい温もりを抱き締めれば 小さく身動いて天使が目覚める。 「おはようございます。」 胸に擦り寄りながら呟く君の髪にキスを贈る。 「おはよう。今何時?」 たぶん朝だろうなって事は差し込む柔らかい日差しで分かる。 「もうすぐ9時、ですね。」 スマホを手繰り寄せる音がして君が時間を告げる。 君は言ってくれた通り俺の目になってくれた。 時間や景色、色に形。 いろんな物を俺に教えてくれる。 だから・・・・・・・・・ 君はもう恋人って以上に 俺の一部なんだよ。

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