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プロローグ
ーねえ、全部忘れても最後は笑顔を見せてね?
中学に入学した時に一際目立つ先輩が居た。
格好良いとも綺麗とも言える、でも、笑った顔は可愛くて…周りにいつも人が集まるような俺とは真反対の先輩。
髪は染めているのか少し赤の混じった黒髪。
女子みたいに綺麗なサラサラの髪。
目鼻立ちも整っており遠くから見ても他の先輩達よりは身長が高め。
細身でモデル体型。
それに比べて俺は母さんが切ったセットの仕様のない黒髪に顔立ちは普通。
地味な存在でしかない。
そんな俺が知り合えるなんて思ってなかった。
ただ見てるだけで良かった。
憧れが恋心に変わるには簡単で、男が男に惚れるなんて不毛だし希望もないなんて解ってても…いつも視線は先輩を追い掛けてた。
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