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第5話 リラックスタイム

マコ様のお世話が終わってメイド部屋に戻る。疲れて今にも目が閉じそうな時に大きな音と共に、勢いよく転んだ人が。  「だ!大丈夫ですか、まぁ子さん!」  「いたたたっ…大丈夫です!恥ずかしいところ見せちゃった」  「お夜食ですか?」  「はい。レイ様、ご挨拶の時に食べる暇も無かったと言っていたので。たぁ子さん、良かったら一緒に持ってくれないかな?」  「はい!」  たぁ子はティーセットを、まぁ子さんはサンドウィッチを持ってレイ様のお部屋に行った。  コンコン  「まぁ子?…どうした?」  「あのっ、お夜食を…っわぁ!」  スカートの裾を踏んで思いきりよろめいたまぁ子さんに、たぁ子は思わず目を瞑ったが、大きな音が聞こえず、目を開けた。  「おっと…セーフ…」  レイ様の逞しい腕が、まぁ子さんを支え、サンドウィッチのトレーまでバランスよく持っていた。 「まぁ子、大丈夫か?」  「はい…っ、ありがとうございます!」  レイ様のドアップに、まぁ子さんは真っ赤になっていた。レイ様はズレたメガネを直して、にこりと微笑んだ。  「俺のためにありがとう。たぁ子も、入って。」  案内されたフカフカのソファーに恐る恐る腰掛ける。まぁ子さんはお茶を注ぐも、ものすごく溢していたが、それをレイ様は優しく見守ったあとにそっとハンカチで拭いていた。 「あ!また…ごめんなさい」  「いいよ。今日はまだお茶のおかわりもある。成長してるね」  「レイ様が甘やかすから…ちぃ子に怒られちゃいます。しっかりしなきゃ。」  「いいんだよ。一生懸命なのは伝わってるし。俺は完璧でいなきゃいけないから…気が張ることが多いけど、まぁ子みたら癒されるよ。」  「日々反省しております」  「可愛いからいいんだよ。そのままでいて。」  たぁ子もドキッとするほど甘い笑顔に、まぁ子さんは恥ずかしそうに俯いて、またそれに笑って頭を撫でた。  (レイ様、とてもお優しい方。次期会長に相応しい方だ)  「たぁ子、覚えていて。こうして仕事が終わって、ただ話すだけでも俺らは疲れが吹っ飛ぶんだ。だから、マコにもやってあげるといい。あいつは、寂しがり屋なんだ。誰でもよさそうに見えて、懐に入れるのはとても少ない。」  「私は…まだ信頼関係ができていません。なので、これから頑張ります。」  「うん!変わってる子だけど、多分、大河よりは扱いやすいはずだから。とりあえず、じっと見つめたら機嫌よくなるからやってみて」  クスクス笑いながら言うレイ様に首を傾げる。その後、まぁ子と話すね、と言われ部屋を出た。  (マコ様…まだ起きているかな?)  早速実践しようと、部屋をノックすると、眠そうに目を擦りながらドアが開いた。  「何」  「マコ様、今日も一日お疲れ様でした!」  「あぁうん。ありがとう。…で?」  「……あ、それだけです…」  眠いのか冷たい返しにおどおどして、言葉が出ずにじっと見つめた。  「っ!」  「あ、あの、おやすみなさい!」  「待って!」  手を引かれて、部屋の中に引っ張られる。  「マコ様?…わぁっ!」  「たぁ子、俺が眠るまでそばにいて」  (マコ様が、甘えてくれた!)  「はい!もちろんです!」  ベッドよ横に座って、マコ様が話す、今日の出来事が楽しくて遅くまで聞いていた。急に眠ったマコ様に布団をかけた。  (おやすみなさい)  お辞儀をして部屋を出て、1日の仕事が終わった。まぁ子さんの洗い残しを見つけ、たぁ子は苦笑いしながら洗い物をして部屋に戻った。 

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