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第九章 第2話
白と茶色でシックかつ豪華な室内に2人の呼吸音だけが静かに降り積もっていく。濡れている点は霧雨と同じようだった。
「そうですね…4人程度…ですか?」
彼の年齢と美貌を考えればもっと多いような気もするが、慣れていないことは分かっている。妥当な線か?と思った。が、自分以外の人間が3人居たとして、ここまで極上の身体を持った人間をそうそう手放せるものなのか?という疑問もわく。彼は容姿も性格も難点はないのだから…。手当たり次第奔放に男性と付き合えるような人間ではないことも知っている。彼から別れ話をしたにしても、告白されて付き合う男性として考慮の対象になった時は彼の人間観察をしてから承諾しそうだ。彼の眼鏡に適った男性ならそれなりに魅力的だろう。そういう場合、数ヶ月はその男性と付き合いそうなものなのに…。それにしては経験値の低さが腑に落ちない。
少し尖った肩越しに鎖骨上の情痕を吸い上げた。汗で潤んだ上半身が反り返り、濡れた絹の感触が絶妙な力加減で祐樹自身を締め付ける。まだ、先端しか含ませていないのに、魂ごと、身体ごと彼に持っていかれそうな錯覚を覚える。
「…………外れ…だ。もう1人少ない…っ」
最初に抱いた時から彼の絹のような感触は堪能したが、内壁の力加減といい、絡み付くきめ細かな感触や熱を敏感な部分で感じる感覚は祐樹が初めて味わうものだった。
――このままではマズい――
先に絶頂を迎えてしまいそうだった。過去の経験からして祐樹は決して早い方でもなかったし、相手より先に逝ったこともなかった。彼がいわゆる「言葉攻め」に弱いことは分かったので、そちらも使うことにした。
「こんなに、淫らに貪欲な絹のように絡み付くココを3人しか許さなかったの?皆、天国に連れて行ってやったのでしょう?貴方も罪な人ですね」
耳たぶを舐めて、感じさせた後、そう言う。と同時に前立腺を自身で強く擦った。
「あっっ…そこ…もっと…」
すぐに自身を引く。すると名残惜しそうに彼の腰が動き、自分で当るようにする。
「そんなにソコがいいですか?好きなだけ味わって下さい、自分で…ね」
先端も感じるが、茎の辺りの方がもっと射精感を感じる。今、彼の中にそこまで挿れると逝ってしまいそうだった。
「あっ…いいっ…」
自分の太腿の上で小刻みに腰を動かしている彼の声は快楽に濡れているが、儚げで辛そうな声だった。そんな声にも煽られる。前立腺を刺激しているのだから・・・と肩越しに彼のモノを見る。案の定だった。
「多分、目を閉じているのでしょうが…目を開いて下を見て下さい。聡…」
彼の濡れた肌が羞恥に強張る。言った通りにしたのだろう。
「ね、貴方のモノ、上を向いていますよ…しかも先端からは淫らな涙まで零して。筋を作って流れている涙もありますね…それに内部の極上の感触…先ほどは指で充分賞味させていただきましたが、手術室の無影灯の下でじっくり視姦したいものです…隈なく照らす照明の元で貴方の内部はとても綺麗な紅色をしているでしょう…幸いビデオがありますから、撮って貴方もご自分で見ますか?」
想像したのだろう。彼の全身の震えが密着している背中から伝わってきた。
「あっ…言わないで…くれっ…」
羞恥心と、そして劣情を感じさせる音色だった。
彼のシルクの痙攣が一際増した。想像して充分感じているのだろう。
「先ほどの話の続きをするか、それとも…ご自身のモノを自分で慰めて…逝ってみますか?私も教授の白くしなやかな指がご自身の白濁に濡れる様をこの目でじっくりと拝見したいですが…。さあ、どちらにしますか?」
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