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弟離れの第一歩
目的の駅前本屋に着いたのに、現在はお家に帰る車の中です。
意気揚々と店に入る寸前に捕まりました。
「学校から出るならちゃんと連絡くれないと。ちゃんと聞いてる?玲桜は可愛いんだから拐われちゃうよ?どうして本屋に行ってたの?何か探しているなら言って。玲桜聞いてる?」
俺を抱きしめて頭を撫で回し、頬擦りをしてさり気なく髪にキスを落として、俺を堪能しているのは、俺と言うアホを作り上げた小野宮 凛桜(このみや りお)弟バカアルファである。
「なんで居るの?仕事は?」
ジト目で見上げてやる。
本屋に行って何があるってんだよ!!
BL本探すだけだろうが!!
この過保護やろう!!
せやからこんなアホが出来上がったんやぞ!!
睨んでも全然効いていない。
怒った顔も可愛いとか自分の番に言ってあげて!!
あっ…まだ居なかったわ…。
「玲桜が学校から外に出ているのが分かったからもう急いで迎えにきたんじゃないか。部活は?生馬君は帰ったの?だからって一人でウロウロしちゃダメだよ!めっ!」
俺の鼻を人差し指で押しながら言うのやめろ。
顔はデレッデレじゃないか。
気まずいけど言うしか無いよなぁ…
「生馬の事はもう追いかけないことにしたんだ。迷惑にしかなっていない事に気づいてさ。それよりもやりたい事ができて…。まだ何となくでしか無いんだけど、自立できるようになりたくなってさ。だから…。お兄ちゃん、応援してね♫」
どさくさに紛れて知れっと弟離れを促す俺!
俺にあっまいから、困惑顔を浮かべながらも、
「そうか、もうそんな考えも出来るようになったのか。」
あぁぁぁ目が潤んできてますよ。
お兄様!!!
時間かかるだろうけど、離れて行こう。
この過保護に浸かってるとアホにしかならん。
「急なんだけど部活は辞めたから…。相談もなしにごめんね。」
泣きそうな顔プラス上目遣いで効果絶大!!!
「あああ!泣かないで!良いよいいよそんなこと気にしない。生馬君のことも今は聞かないでおく。色々あるもんな。玲桜が楽しく幸せにしていてくれたらそれで良いよ。」
ね!ちょろっちょろですわぁ。
まじで大丈夫かよ?
兄貴・・・・。
仕事場では冷徹の敏腕社長で通っているらしいけど、10歳差の俺にはこの甘さである。
BL観察中の甘さには悶絶できるけど、自分相手にされると砂吐きそうですわ。
さっさと番見つけてくれないかなぁ。
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