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お兄様攻略はチョロゲーです
とりあえず、前世を思い出してどうしてもやりたくなったことがある。
それは料理。
家には家政婦の島 満代(しま みつよ)さんが居てくれるけど、自分で作りたくなった。
大食いの男の子3人と主人と自分の5人分を作っていたんですよ。
なので、俺でもできるはず。
お兄様は「包丁を持つなんて!!火を使うなんて!!」とうるさくて仕方ない。
かなりうんざりしたけど、ここは秘技発動!!
ウル目&上目遣いですわ。
「ぐずっ・・・。自立がしたいって・・・。ずっ・・・昨日言ったのに・・。応援してくれないんだね・・・。」
「わぁぁ!もちろん応援するよ!!泣かないで!そうだよね、コツコツといろんな事していかないとだめだもんね!」
はい。言質いただきましたー。
青白い顔したお兄様を横にキッチンに立つ俺。
とりあえず、お弁当と朝ごはんかな。
満代さんとあれがいいこれにしようと相談しつつ、作っていく。
「まぁ手際が良いですね。どこでお勉強なされたんですか?」と優しく微笑まれる満代さん。
笑いじわがかわいいおばあちゃまって感じの人なんだけど、俺がすることに手を出さずに見守ってくれてる。
主婦歴やく30年などと言えるわけもなく。
「友人が料理をしていることを教えていただきまして、参考にしている動画やブログなどを教えていただいたので。」
前世でもやっていたやり方だからな。
間違いはない。
「お兄様、お弁当持っていく?」
もう弁当箱に詰めながら聞いているから拒否するとは思ってないけど、一応聞いてみる。
「えええ!!!!!?僕の分もあるのかい?ありがたく持っていくよ!!」
満面の笑みで、大喜びだ。
いやもう溺愛っぷりに引くしかないんだけど。
3人で朝ごはんを済ませて、出勤する兄の車で学校に送ってもらう。
会社からの電話に応対している兄は社長の顔に切り替わっている。
キリッとして仕事している姿は、弟ながら素晴らしく格好いいと思う。
お兄様、早く恋人を紹介してくださいね♡
車から降りると、生徒会長も車から降りるところだった。
ムムッ!!!
その後ろから会長に手を引かれて降りてくるのは風紀委員長ではありませんか!!!
敵対しているとか、犬猿の仲とか言われたような気がするけど、会長の甘いマスクから滲み出る甘い雰囲気は!!
もしかしなくても!?!?!
実は恋人になってたとか!?
詳しく聞きたい!!
馴れ初めとか、どこ行けば読めますか?
売ってませんか?
そうですか・・・・。
いやしかし、これは観察対象ロックオンですわ。
朝から萌えをありがとうございます。
尊いです。はい。
甘い匂いに気づいて振り返れば、俺と目があって不機嫌な顔を向けてくる生馬がいた。
やっば、視界に入りませんとか言いながら、玄関先でずっと居たわ。
軽く会釈だけしてさっさと教室に向かう。
男前に睨まれると余計に怖さが増すわ。
おぉ、コワイコワイ。
さて、机につくなり俺は考える。
昨日は食堂に行ったけど、やはり昼休みといえば新しいカプを発見できる気もするわけですよ、時間も長いですし。
お弁当もありますし。
食堂は無しにして教室も有りか?
いやここは中庭か?
階段の踊り場から観察も捨てがたい。
屋上庭園も捨てがたいけど、たしか生馬が居た気がすんだよな。
それは避けたい。
今朝も顔見ただけで羞恥心いっぱいおっぱいで、吐きそうになったわ!!
「おはよ。元気?」
後ろから声が落ちてきたぞ?
振り返れば席につこうとしている松前くんでした。
「おはよう。めっちゃ元気だよ」
元気に挨拶したのになんで驚くのよ?
前髪に寝癖ついてる。
ちょっと可愛い。
なおしてやろう。
手を伸ばしたら避けられた。
何だお前触れられたくないってか?
おん?
朝からやんのか?
おん?
ちゃいますやん!!!
オレ!コンナコトシナイ!!
おかしいのは俺だったあああああ!!
そりゃ避けるし、困惑顔するわ。
いやほんとすまん。
前世で息子や主人にするように手を伸ばしてたわ・・・・。
「ごめん。髪になにか付いてる気がしたけど、見間違いだったわ。」
おとなしく前向いとこ。
「あ・・・あぁそう。」
うん。そう。気まずい。
忘れてたけど、朝から学力テストだったわ。
前世の俺・・・・・。
めちゃ頭良かったみたい!!
スラスラ解けるの!!
はぁ~んカ・イ・カ・ン★
いきなりチートを手に入れてしまった。
ウヒヒヒヒヒ。
悪代官になった気分。
ん~~~~~~悪くない。
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