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第一章・6

「朝ですよ。起きてください」 「え?」  耳元でそう囁かれ、和正は瞼を開いた。  にっこり微笑んでいるのは、祐也だ。 「お客様、上映が終わりました」 「あ、あぁ~。しまった!」  星降る夜に抱かれて、またもやぐっすり眠っていた。 「お仕事帰りですか? お疲れでしょうから、仕方がないですよ」 「そう言ってもらえると、罪悪感が少しは和らぐよ」  しかし、せっかくの美声を楽しみにしてきたのに、これでは残念すぎる。 「清水くん、何時上がり?」 「え? 20時ですけど」 「よかったら、夕食一緒にどう? 訊きたいこともあるし」 「えっと、あの。その……」 「下心なんて、ないから」  その言葉に少し笑った後、祐也はOKの返事を出した。  ビルの南口で待ってる、という男性に、祐也は好意を抱いていた。 「ただのナレーションの僕を、すぐに名前で呼んでくれた人なんて、初めて」  そんな風に、和正のことを特別に想っていた。

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